7.4 改正ポイント4:保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
厚生年金などで保険料や年金額を計算する際の賃金の上限(※1)が、「月65万円」から「75万円」へと段階的に引き上げられます(※2)。
上記により、現役時代の収入により近い額が年金に反映されやすくなります。
※1 標準報酬月額:厚生年金や健康保険の保険料、年金額を計算するために、月々の報酬と賞与を一定の幅で区切った基準額のこと
※2 2027年9月から68万円、2028年9月から71万円、2029年9月から75万円に引き上げ
8. 年金情報をチェックして老後に向けた準備を
今回は、公的年金制度のしくみや、年代別の平均的な年金受給月額について解説していきました。
2025年度は前年度と比べ公的年金が増額となりましたが、物価の上昇ペースに追いついておらず、実質的に年金が目減りしているとも言えます。
また、日本では少子高齢化が進み、現役世代が年金世代を支えるしくみの持続性がますます課題となるでしょう。
こうした状況を考えると、老後の生活を年金だけに頼るのではなく、自助努力をすることがより一層重要となります。
将来に向けての資産形成は、早いうちから準備をはじめて時間を味方につけることが大切です。
ぜひ今できることを一度見直してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金の保険料」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
菅原 美優