日本は、先進国の中でも男女格差が大きいと言われています。昨年末に世界経済フォーラム(WEF)が発表した「ジェンダーギャップ指数」では、149か国中110位。109位のモーリシャス共和国(アフリカ)の次にランクされ、近年低迷傾向が続いています。
一方、「男性の方が社会的に優遇されている」ことが、必ずしも男性の幸福度に直結していないことも指摘されています。特に、家庭や地域における「体感男女格差」と、「ジェンダーギャップ指数」とのズレを感じている人も多いのではないでしょうか。
インターネット上の記事では、女性が働き続けることの大変さや、家事と育児の両立の難しさに焦点を当てたものが多いのですが、男性からはしばしば「納得がいかない」という不満の声も聞こえてきます。この意識のすれ違いはどうして起こるのでしょう。
そもそも日本の「男女格差指数」はなぜ低い?
冒頭の指数は、健康、教育、経済、政治の4つの項目で評価されています。
日本の項目別のランキングは、以下の通り。
健康・・・41位
教育・・・65位
経済参画・・・117位
政治参加・・・125位
下位に沈んでいるのが、「経済参画」と「政治参加」です。
「経済参画」の項目では、管理職や専門職に就く女性の割合が低く、同じ労働に対する男女の賃金格差が目立ちます。「政治参加」では、国会議員や閣僚の女性の比率がきわめて低い状況が順位に反映されています。
企業や政治の現場において、男性が重要なポストにつき、意思決定を担っている現状が、ジェンダーギャップ指数に影響しています。
「家事と育児を無償で担う妻を持つ男性」に最適化された職場環境や、専業主婦のいる家庭を優遇する税制なども、女性が責任あるポストに就くことをためらう一因となっています。
ちなみに男女格差が最も小さかったアイスランドでは、国会議員の女性の割合は38%。女性が首相を務めており、賃金格差が小さくなっています。
家庭では意思決定権が弱まる男性
政治や経済の分野では、男性側に意思決定権が集まっている日本ですが、家庭においては「ある変化」が見受けられます。