夏休みやお盆の連休に合わせて、実家へ帰省する人も多いこの時期。「実家で片付けをしているときに旧姓のままの通帳を見つけた」ということも珍しくありません。

旧姓の通帳は使い続けることができるのでしょうか。

この記事では、古い通帳の取り扱いや休眠預金の仕組みについて解説します。

記事の後半では、休眠預金の引き出し方法についても解説しますので、古い通帳を見つけたときの手続きの参考にしてください。

1. 【古い通帳】旧姓のまま使い続けたい場合は相談が必要

結婚して苗字が変わっている場合、その旨を金融機関に届け出て変更手続きを行う必要があります。戸籍上の名前と通帳の名義が異なっていると、ペイオフなどの際に同一人物とみなされない可能性があるためです。

変更手続きに必要なものは金融機関によって異なりますが、通帳・キャッシュカードと届出印、旧姓と現在の姓が確認できる本人確認書類が求められることが一般的です。

ただし、結婚後も旧姓のまま働き続ける人が増えている現在では、「旧姓で口座を使い続けたい」ということもあるかもしれません。金融機関によっては、旧姓のまま口座を使うことが認められています。

その場合は別途手続きが必要となりますので、金融機関の窓口にて相談してみましょう。

2. 休眠口座になっている可能性もある

古い通帳を見つけた際に気を付けたいのが、休眠預金についてです。

金融機関の口座は10年以上にわたって入出金などの取引がない場合、休眠預金となり取引に制限がかけられます。

休眠預金となる口座の主な種類は下記の通りです。

  • 普通預貯金
  • 通常預貯金
  • 定期預貯金
  • 当座預貯金
  • 貯蓄預貯金
  • 定期積金

預金保険機構によると、毎年数百万件にも上る預金口座が休眠預金に入っています。ここで、直近5年間で休眠預金に入った数を確認してみましょう。

休眠預金に入った数1/3

休眠預金に入った数

出所:預金保険機構の各データをもとにLIMO編集部作成

  • 2024年・・・631万6135件
  • 2023年・・・711万4386件
  • 2022年・・・706万9589件
  • 2021年・・・687万1570件
  • 2020年・・・718万2822件

毎年多くの口座が休眠預金となっていることから、見つけた通帳も休眠預金に入っている可能性があるかもしれません。

もし休眠預金に入ると、通帳やキャッシュカードを使って預金を引き出すことができません。旧姓のままの古い通帳を見つけたら、通帳の明細をチェックするなどしてまずは休眠預金となっていないか確認するようにしましょう。

2.1 1万円に満たない預金は通知が行われない

2/3

RRice/shutterstock.com

RRice/shutterstock.com

通常、休眠預金になる預金がある場合は、事前に届け出の住所あてに通知が送付されます。この通知がきちんと届くことが確認されると、休眠預金への移管は行われません。

しかし、旧姓のままの通帳は現在の住所への変更が行われていない可能性が高いことから、通知が届いていないことも考えられます。

また、残高が1万円未満の預金については通知が送付されません。そのため、残高が少ない場合についても、いつの間にか休眠預金に入っている可能性があるでしょう。

3. 休眠口座でも引き出しは可能

ただし、休眠預金となったあとでも預金を全く引き出せないわけではありません。

通帳やキャッシュカードは使えなくなるものの、窓口で本人確認などの手続きを行えば預金を引き出すことができます。

休眠預金の引き出しは通常の手続きに比べて時間がかかる場合がありますので、来店の際は時間に余裕を持っておくことがおすすめです。

3.1 休眠預金の引き出しに必要なもの

休眠預金等として移管されたら3/3

休眠預金等として移管されたら

出所:金融庁「休眠預金等活用法Q&A」

休眠預金の引き出しに必要なものは、通帳やキャッシュカード、届出印、本人確認書類などです。

通帳の名義と現在の姓が変わっている場合は、旧姓と現在の姓が分かる戸籍謄本などを持参してください。

なお、休眠口座となった口座をそのまま使い続けられるかどうかは金融機関によって異なります。「新しい口座番号に変更される」といった金融機関もありますので、くわしくは取引のある金融機関へとたずねてみましょう。

4. 帰省をきっかけにお金の管理を見直そう

旧姓のままの口座を使い続けるためには、変更手続きや旧姓使用の相談が必要となります。もし休眠預金となっていれば、より手続きが煩雑になることもあるかもしれません。

とはいえ、使っていない口座をそのまま放置することはおすすめできません。「使わない通帳は解約する」、「利用する口座を必要最低限にまとめる」など、この夏休み・お盆をお金の管理を見直すきっかけにしてみましょう。

また、金融機関からのお知らせをきちんと受け取るために、住所や氏名などに変更があった場合はすみやかに届け出るようにしてください。

参考資料

椿 慧理