4. 65歳までの15年間で「2000万円」を準備したい。毎月の積立額はいくら必要?
65歳までに2000万円の老後資金を準備するためには、毎月いくら積み立てればよいのか。今回のシミュレーションでは、想定利回り3.0%(複利)という現実的な前提のもとで計算を行いました。
【積立額、15年後の資産額】
- 1万円:227万円
- 3万円:680万9000円
- 6万円:1361万8000円
- 9万円:2042万8000円
- 12万円:2723万7000円
※想定利回り:年率3.0%
上記の試算から、月額9万円を15年間積み立てた場合、年利3%の運用で2042万8000円の資産が形成されることがわかりました。
老後資金の目標として2000万円を目指すのであれば、月9万円の積立が1つの目安となります。
とはいえ、いきなり月9万円の積立を始めるのは現実的に難しいという方も多いでしょう。そこで有効なのが、まずは月3万円程度からスタートし、収入や支出の状況に応じて段階的に増額していく「ステップアップ方式」です。
無理のない範囲で積立を継続することが、長期投資では最も重要なポイントです。
また、想定利回りを年4%や5%とやや高めに設定し、その水準を目指せる商品や資産配分を取り入れる方法もあります。
ただし、期待利回りが高くなるほど値動きの幅(リスク)も大きくなるため、自分のリスク許容度に応じた資産設計を行うことが重要です。
5. まとめにかえて
新NISAを活用した積立投資は、50歳からでも十分に老後資金の柱となり得ます。運用益が非課税となることで、税金のロスを抑えながら効率的に資産形成を進められる点は、従来の投資制度と比べても大きな利点です。
毎月の積立額や運用利回りによって将来の資産額は異なりますが、15年間の積立で1000万円を超える成果も現実的に見込めます。
ただし、投資にはリスクもあるため、自分の目的や許容度に応じた資産配分と継続力が大切です。
「まずは月3万円から」「最初は利回りの安定した商品で」など、自分に合った方法を見つけ、ゆとりある老後に向けて一歩を踏み出しましょう。
参考資料
加藤 聖人