75歳以上になると、後期高齢者医療制度に加入し、医療費の自己負担は原則1割となります。ただし、所得に応じて2割または3割負担となる場合もあるため、注意が必要です。

また、保険料は毎年上昇傾向にあり、2025年度は前年から1.6%増加しています。都道府県によって保険料は異なり、1000円以上の差が発生することもあります。

自治体では交通支援や介護予防、経済負担軽減など独自の高齢者向けサービスを提供しているため、これらを有効活用して生活の質向上と負担軽減を図りましょう。

1. 後期高齢者医療制度とは

75歳以上の方は、「後期高齢者医療制度」という公的医療保険制度に加入します。

一般的な公的医療保険では、医療機関を受診したときの自己負担割合が3割ですが、後期高齢者医療保険の自己負担割合は原則として1割です。ただし、現役並み所得者は3割、一般所得者等のうち一定以上の所得がある人は2割となっています。

高齢期になると医療機関にかかる頻度が高くなる一方で、年金収入に突入して収入が限られるのが一般的です。このような状況を鑑みて、75歳以上の方は自己負担割合を抑えられる仕組みになっているのです。

2. 2025年の後期高齢者医療保険料

後期高齢者医療保険の財源構成は、「公費50%・現役世代の負担40%・後期高齢者の保険料10%」となっています。現役世代の負担が過重になる事態を防ぎ、さらに社会保険制度を維持するために、加入者の負担増は今後も免れないでしょう。

実際に、ここ数年は後期高齢者医療保険料の上昇が続いています。2025年度に関しても2024年度から1.6%の増加となっています(全国平均)。

なお、後期高齢者医療保険は都道府県単位で全市町村が加入する広域連合が運営しているため、同じ収入でも都道府県ごとに保険料は異なります。

厚生労働省の資料を基に、「年金収入195万円」の方が負担する2025年度の保険料をまとめました。

  • 全国:5673円
  • 北海道:6325円
  • 青森県:5415円
  • 岩手県:4808円
  • 宮城県:5216円
  • 秋田県:5042円
  • 山形県:5283円
  • 福島県:5056円
  • 茨城県:5358円
  • 栃木県:4991円
  • 群馬県:5567円
  • 埼玉県:5067円
  • 千葉県:5008円
  • 東京都:5355円
  • 神奈川県:5440円
  • 新潟県:4850円
  • 富山県:5033円
  • 石川県:5573円
  • 福井県:5458円
  • 山梨県:6003円
  • 長野県:5156円
  • 岐阜県:5400円
  • 静岡県:5275円
  • 愛知県:6117円
  • 三重県:5475円
  • 滋賀県:5371円
  • 京都府:6180円
  • 大阪府:6495円
  • 兵庫県:6134円
  • 奈良県:5833円
  • 和歌山県:6125円
  • 鳥取県:5892円
  • 島根県:5618円
  • 岡山県:5758円
  • 広島県:5438円
  • 山口県:6408円
  • 徳島県:6033円
  • 香川県:5892円
  • 愛媛県:5719円
  • 高知県:6100円
  • 福岡県:6641円
  • 佐賀県:6250円
  • 長崎県:5792円
  • 熊本県:6259円
  • 大分県:6509円
  • 宮崎県:5675円
  • 鹿児島県:6592円
  • 沖縄県:6410円

実際には年金収入によって異なるため、あくまでも目安としてご活用ください。

3. 自治体が行っている高齢者向けサービスを有効活用しよう

自治体によっては、高齢者の生活を支援するために独自の行政サービスを行っています。具体的な例は、以下のとおりです。

  • 交通・移動支援:コミュニティバスの運行、公共交通機関の割引制度(シルバーパス)、病院や買い物への送迎サービスなど
  • 介護予防・健康維持:介護予防教室や認知症カフェ、健康相談、リハビリテーションなど健康管理や介護予防を目的とした活動
  • 交流・社会参加支援:高齢者向けサロンやコミュニティ活動、趣味の会、ボランティア制度など
  • 経済的負担の軽減:上下水道料金の軽減、紙おむつ費用の助成、住宅改修費の一部助成など

実際に行っているサービス内容や対象は自治体によって異なるため、詳細はお住まいの市区町村の窓口や公式ホームページで確認しましょう。

また、利用には本人や家族による申請・手続きが必要な場合がほとんどです。市区町村の窓口や地域包括支援センターなどを通じて、どのようなサービスを受けられるか確認しましょう。

4. まとめにかえて

後期高齢者医療制度は高齢期の医療費負担軽減を目的として、自己負担割合を原則1割に抑えています。しかし、制度維持のため保険料は上昇が続いており、2025年度も全国平均で1.6%増となっています。

生活の負担を軽減するためにも、自治体が行っている行政サービスを活用しましょう。交通支援や介護予防、経済負担軽減など多様な高齢者向けサービスを提供しているため、ぜひ情報収集をしてみてください。

参考資料

柴田 充輝