厚生労働省「令和7年版厚生労働白書」によれば、高年齢者の就業意向について、65歳を超えて就業を希望する人(「働けるうちはいつまでも」を含む)が約6割となっています(2025年7月29日公表)。

最近では60歳代で働く人も増えており、物価高や年金への不安などでできるだけ長く働き続けたいという人もいるでしょう。

では実際に60歳代・男女別で働く人も割合はどれくらいでしょうか。

年金受給者の収入やその内訳とともに、高齢者の収入についてみていきましょう。

1. 60~64歳、65~69歳の就業率は?

まずは厚生労働省「令和7年版厚生労働白書」より、60歳代の就業率をみていきます。

1.1 【2024(令和 6)年】高齢者の就業率

  • 60~64歳男性:84.0%
  • 60~64歳女性:65.0%
  • 65~69歳男性:62.8%
  • 65~69歳女性:44.7%

60歳代前半では男女ともに半数を超え、多くの人が働いています。

一般的な年金受給開始年齢は65歳からですが、60歳代後半は男性が6割以上、女性が約45%となっています。60歳代後半でもおよそ半数の方が働いているとわかります。

2. 年金受給者の収入「年金100%の世帯」は約4割

では厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」より、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における、公的年金・恩給が総所得に占める割合別の世帯数の構成割合をみてみましょう。

【高齢者世帯】公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合2/3

【高齢者世帯】公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

2.1 公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80〜100%未満の世帯:16.4%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60〜80%未満の世帯:15.2%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40〜60%未満の世帯:12.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20〜40%未満の世帯:8.2%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4%

所得のうち年金が100%を締めている世帯は43.4%です。

また、高齢者世帯の所得とその内訳をみてみましょう。

2.2 高齢者世帯の所得とその内訳

  • 総所得:314.8万円
    • うち稼働所得:79.7万円(うち雇用者所得66.5万円)
    • うち公的年金・恩給:200.0万円
    • うち財産所得:14.4万円
    • うち公的年金・恩給以外の社会保障給付金:1.8万円
    • うち仕送り・企業年金・個人年金等:18.9万円

※雇用者所得とは世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額(税金や社
会保険料を含む)

年金以外にもさまざまな収入源があることがわかります。ちなみに雇用者所得は年66.5万円ですので、月にすると約5.5万円でした。

3. 高齢者世帯「生活苦しい」は55.8%

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者で生活が苦しいと回答している世帯は半数以上あるようです。

  • 大変苦しいとやや苦しいの合計:55.8%
    • うち大変苦しい:25.2%
    • うちやや苦しい:30.6%

前年は合計が59%だったので割合は少し低下していますが、それでも全体の半分以上の割合を占めています。昨今の物価高も影響していると考えられるでしょう。

4. 現役絵代は貯蓄だけではなく年金を増やすのも効果的

今回みてきたように、所得が年金のみの人もいれば、それ以外の収入を得ている人もいます。

物価や少子高齢化であることを考えると、できるだけ長く働きたい人は少なくないでしょう。何歳まで、どのような職種や働き方をするかは、現役時代のうちから考えるといいでしょう。

また、現役世代の方が老後に向けて貯蓄を増やすことは、もちろん大切です。しかし、貯蓄を増やすと同時に老後の収入の柱となる年金の受給額が増えれば、より安心感は増すでしょう。

年金の受給額を増やす方法には、以下のようなものがあります。

  • 国民年金のみであれば付加年金に加入する
  • 国民年金のみであれば国民年金基金に加入する
  • 厚生年金に加入する働き方を選ぶ
  • 60歳以降も働いて厚生年金保険料を納める
  • 年金を繰下げ受給するなど

ただし、国民年金基金は付加年金と併用できないなどそれぞれ条件があるため、制度を活用する場合は事前にしっかり調べましょう。メリット・デメリットやリスクなども挙げて、自身に合った方法を考えるとよいでしょう。

参考資料