2. 遺族厚生年金の見直しで「影響を受ける人」「影響を受けない人」とは?

遺族厚生年金が見直されることで、影響がある方もいればない方もいます。

それぞれどのような方なのか確認していきましょう。

2.1 「遺族厚生年金の見直し」影響を受ける人

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遺族厚生年金の見直しにより、影響が出るのは次のような方です。

  • 18歳年度末までの子どもがいない、2028年度末時点で40歳未満の女性
  • 18歳年度末までの子どもがいない60歳未満の男性

なお、「18歳年度末までの子ども」とは、一般的に高校3年を卒業するまでの子どもを指します。

現行では、30歳未満の子どものいない女性はすでに5年間の有期給付になっていることから、見直し後新たに対象となるのは、30歳以上40歳未満の女性ということになります。

特に女性に関しては、見直しにより大きな影響が出ないように、20年かけて段階的に引上げが実施されます。

詳しくは、2028年4月から無期給付の対象が30歳から40歳以上に変更され、その後20年をかけて対象年齢が1歳ずつ引き上げられる見込みです。

また、子どものいない男性は、現行では55歳以上のみ受給可能で、受給開始は60歳からに制限されています。

しかし見直し後は、20歳〜50歳代の方でも受給可能になります。

厚生労働省によると、新たに対象となる30代女性は推計で年間250人、男性は年間1万6000人になるとされています。

2.2 「遺族厚生年金の見直し」影響を受けない人

遺族厚生年金の見直しが行われても、次のように特に影響を受けない方もいます。

  • 60歳以上で配偶者と死別した方
  • 18歳年度末までの子どもを養育している方
  • すでに遺族厚生年金を受給中の方
  • 2028年度に40歳以上になる女性

今回の見直しは、「子どもがいない配偶者」で主に20代〜50代を対象としたものであるため、60歳以上で配偶者をなくした方や、子どもを養育中の配偶者への変更はありません。

2028年3月31日までに配偶者と死別し遺族厚生年金の受給を開始した場合は、見直し後もそのまま継続支給されます。

2028年4月から、無期給付の対象がこれまでの30歳から40歳以上に引き上げられるため、2028年度に40歳以上になる女性も影響を受けません。

3. 「遺族厚生年金の見直し」を確認して生涯設計について考えておきましょう

2028年4月からの遺族厚生年金の見直しにより、子どものいない20代〜50代の配偶者には最長5年間の有期給付が支給されます。

一方、子どもがいる配偶者や、すでに遺族厚生年金を受給中の方などには特に変更の影響はありません。

今回の改正内容を十分に理解し、ご自身が該当するかどうかを早めに確認しておくことが大切です。

参考資料

木内 菜穂子