3. NISAが効果的な人・あまり効果的でない人

ここまで説明したきたように、NISA制度には様々なメリットがあり、初心者でも始めやすい投資として注目を浴びています。

しかし、投資をする全ての人にメリットがあるわけではなく、実はNISAの活用をしない方が利益を得られる人も存在します。ここからは、NISAを積極的に活用すべき人と、そうではない人について説明をします。

3.1 NISA活用が効果的になりやすい人

・投資初心者
国が選んだ比較的低リスクの投資信託商品の中から選ぶだけで、少額からでも始められるのが、NISAのつみたて投資枠の大きな特徴の1つです。複雑な知識がなくても、長期的な資産形成の第一歩を踏み出しやすいのです。

・将来のためにコツコツお金を貯めたい人
毎月一定額を買い続けることで、購入価格が平準化され、価格変動のリスクを抑えやすいからです。また、運用益が非課税になるメリットを、時間をかけて最大限に活かせます。

・投資に関することに時間をかけられない人
NISAのつみたて投資枠は一度設定すれば自動で積立が行われるため、基本的に日々の値動きを気にしたり、売買のタイミングを考えたりする必要がありません。家庭や仕事に追われて株価などに手が回せられない人にとって、最適な投資方法と言えます。

3.2 NISA活用が効果的になりにくい人

・まとまった資金(数百万円など)を一度に投資したい人

年間の投資上限額が決まっているため(新NISAのつみたて投資枠は120万円)。退職金など、まとまったお金をすぐに全額投資することはできないからです。

・自分で好きな個別株やアクティブファンドに投資したい人

NISAのつみたて投資枠で選べる商品は、国が定めた基準を満たす投資信託などに限定されているからです。自由な商品選びをしたい場合は、NISAの『成長投資枠』や課税口座の利用が向いています。

・NISA口座以外でも株式の売買を行う人

NISA口座で発生した損失は他の課税口座の利益と損益通算できないため、取引が活発で損失が出る可能性がある人にとっては税制面で不利になります。このようなケースでは、むしろ全ての取引を課税口座で行えば、損失と利益を相殺して全体の税負担を効果的に軽減できるため、頻繁に売買する人にはNISAがおすすめできない場合があります。