2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。
その中で「厚生年金等の標準報酬月額」について、現在の上限は月65万円となっていますが、以下のように段階的に引き上げられることになりました。
標準報酬月額の上限の引き上げ
- 2027年9月~:月68万円
- 2028年9月~:月71万円
- 2029年9月~:月75万円
保険料の負担は増える一方で、将来は現役時代の収入に見合った年金を受け取れるようになる予定です。
老後の公的年金の受給額については、国民年金か厚生年金か、また厚生年金であれば加入期間だけでなく、収入により納めた保険料で個人差が大きく出がちです。
では、現代シニアの生活費や貯蓄、年金額といった暮らしにまつわるお金はどれくらいのなのでしょうか。今回は60歳代に視点をあてて、平均的なお金事情をみていきます。
1. 【60歳代】リタイア後の「月の生活費」はいくら?家計収支を見る
まずは総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に、二人以上世帯で65~69歳の平均的な家計収支をみていきましょう。
1.1 【65歳~69歳】二人以上世帯の家計収支
- 実収入:30万7741円
- 消費支出: 31万1281円
- 非消費支出: 4万1405円
- 家計収支:▲4万4945円
リタイアした65~69歳の平均的な収入は30万円台。そのうち年金は21万6915円です。
一方の支出は消費支出だけでも31万円台となっており、実収入を上回ってます。
税金や社会保険料の非消費支出は約4万円。家計収支で見ると約4万5000円の赤字となりました。
十分な貯蓄があればいいのですが、赤字額を年にすると54万円。20年間で1080万円にもなります。老後の生活費が赤字か黒字かや、赤字の場合の金額やそれに対して必要な貯蓄額は現役時代から計算し、備えておきたいでしょう。