まだまだ雨の多い7月、視界不良や路面の悪化により交通事故のリスクが高まる時期です。警察庁によると、令和6年の交通事故件数は年間約29万792件。つまり、およそ1分49秒に1件、国内のどこかで交通事故が発生していることになります。今回は、月別の死者数や高齢ドライバーによる事故の統計をもとに、自賠責保険や任意保険の必要性について解説します。
1. 下半期に交通事故死が増加傾向「7月以降は要注意」
警察庁交通局が公表する「令和6年中の交通事故死者について」をみてみると、例年7月から12月にかけて交通事故死者数が増加する傾向があります。
特に年末に向けて、交通量が増えたり、日没が早まることで視認性が低下したりする要因が重なるため、事故のリスクが高まると推測されます。また、ちょうど1年前である令和6年7月時点でも、交通事故死者数の増加が見られます。このため、ドライバーや歩行者は、この時期特有の危険を意識し、より一層の注意と安全確認を徹底することが重要です。突然の雨など天候が不安定な7月ですが、特に夕暮れ時や夜間の運転、歩行には細心の注意を払い、安全運転・安全行動を心がけましょう。
次に、年齢層による事故の傾向に目を向けてみます。
2. 75歳以上の死亡事故は75歳未満の約2倍にのぼる
警察庁によると、令和6年に75歳以上の高齢ドライバー(一般原付以上)が起こした死亡事故は410件でした。
また、死亡事故の発生率は75歳未満の約2倍と高く、高齢ドライバーの事故リスクの高さが明らかです。依然として深刻な状況が続いています。
2.1 75歳以上高齢ドライバーは「単独事故」の割合が約2.5倍に
つづいて「なにが原因で死亡事故を起こしたか?」を示す事故類型別死亡事故件数についてみていきましょう。
「どんなことが原因だったのか」がわかる事故の主な類型
- 人対車両事故:歩行者などと車の衝突
- 車両相互事故:車と車の衝突(例えば、交差点での出会い頭など)
- 車両単独事故:運転する車単独で起きたこと(ガードレールへの衝突、転落、急ハンドルによる横転など)
- 列車事故:踏切などで列車と接触したケース
「75歳未満」ドライバーによる死亡事故の主な原因は「人対車両事故」で45.1%を占めます。一方で「75歳以上」ドライバーは「車両単独事故」が最多で45.5%にのぼります。これは75歳未満の17.9%と比べて約2.5倍にあたります。高齢ドライバーでは、単独事故の割合が特に高く、自身の不注意や体調急変が影響している可能性があります。年齢によって事故の特徴に違いがあることがわかりますね。
こうした万が一の事故に備えるために、保険の補償内容を知っておくことが大切です。