4. 厚生年金+国民年金で「月10万円未満」を受給する人は意外と多い
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給額ごとの受給者数は以下のとおりです(国民年金を含む)。
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
厚生年金+国民年金の年金月額別の受給状況を見ると、「月額10万円未満」の人が全体の約22.7%を占めており、およそ5人に1人は10万円に届いていないことがわかります。
一方で、平均月額14万3973円を上回る「月額15万円以上」を受け取っている人の割合は47.6%にのぼります。
とはいえ、物価上昇を考慮すると、年金収入だけで老後の生活費をまかなうのは容易ではないと考えられます。
5. 少しずつでも「老後に向けた準備」を進めていくことが大切です
今回は、老後に受け取れる年金の平均額について詳しく見ていきました。
厚生年金と国民年金をあわせて、受給額が月額10万円未満の人は約22.7%です。
ご紹介した年金額は額面となっているため、ここから税金や社会保険料などが天引きされると手取りの年金はさらに少なくなることが考えられます。
現在の物価高などもふまえると、公的年金だけで老後の生活費を賄うのは難しいといえるでしょう。
さらに「老後は趣味や旅行などにお金と時間を使いたい」と考える人も多い傾向にありますが、そのためには自助努力による資産形成が必要です。
収入が比較的安定している現役時代のうちに、老後も見据えて貯蓄に取り組むことが大切になります。
また新NISAやiDecoなど、税制優遇がある制度を活用するのも1つの選択肢となるでしょう。
働き方や家計、ライフスタイルなどに合わせて、今できることから少しずつでも老後に向けた準備を進めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- 内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算部「2025年4~6月期四半期別GDP速報(1次速報値)」
橋本 優理