近年続く物価高は、現役世代の方だけでなく、年金だけで暮らす方々の生活もますます厳しくしています。
そのため、家計のやりくりを改めて見直している方も多いのではないでしょうか。
日本の公的年金は、受給額に個人差があり、十分な年金を受け取れていない方も少なくありません。
そうした中で、年金やその他の所得を合わせても一定の基準を下回る方を対象に「年金生活者支援給付金」という制度が設けられています。
この記事では、「年金生活者支援給付金」の支給対象や金額の目安、そして受け取るために必要な申請の流れについて、わかりやすく解説します。
1. 【2025年度】「年金生活者支援給付金」とは?給付基準額はいくら?
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得が一定基準額以下の方を対象に、年金に上乗せして2カ月ごとに支給される制度です。
なお、次回の年金生活者支援給付金の支給日は、10月15日(火)となっています。
受給している年金の種類に応じて、「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類に分かれ、それぞれで支給条件や金額が定められています。
1.1 【年金生活者支援給付金】2025年度は2.7%増額改定に
2025年度の年金生活者支援給付金は、前年度比で2.7%引き上げられました。
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額をもとに保険料納付済期間などに応じて実際の支給額が計算されます。
これらはいずれも「月額」で示されており、支給時には2カ月分がまとめて年金に上乗せされ、基準額どおりに受給できる場合、1回の支給は約1万円、年間でおよそ6万円となります。
また、「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、2024年3月時点の平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4014円、障害年金生活者支援給付金5555円、遺族年金生活者支援給付金5057円となっています。
※2024年3月において認定されている平均給付金額です。