暦の上では秋に入りましたが、まだまだ暑さが続く毎日です。
さて、主に75歳以上の方が加入する後期高齢者医療保険について、大きな変化があるのをご存じでしょうか。
これまで紙の保険証が毎年届く仕組みでしたが、2024年12月2日以降、マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」への移行が始まりました。
これまでの紙の保険証は今後どうなるのか、そしてマイナ保険証を持っていない方は今後どのように医療機関を受診すればよいのかなど、みなさんが気になる点について詳しく解説していきます。
1. 「後期高齢者医療制度」の概要をおさらい
はじめに、後期高齢者医療制度の基本的な仕組みについて確認しておきましょう。
この制度に加入する対象者は、次の2つに分けられます。
- 75歳になった全ての方
- 65歳以上74歳以下で、一定の障害のある方
1に該当する方は、自動的に制度へ加入となり、2に該当する方は、希望すれば加入することが可能です。
1.1 後期高齢者医療制度の「負担割合」は?
後期高齢者医療制度では、医療機関を受診する際の自己負担割合が、世帯の所得に応じて1割から3割の範囲で設定されています。
医療費の自己負担割合は、まず課税所得などをもとに「3割負担に該当するかどうか」を判定し、そのうえで「1割負担か2割負担か」が決まる仕組みです。
なお、1人世帯の場合はその方の所得で判定されますが、2人以上の世帯では、後期高齢者医療制度に加入している全員の所得を合算して判定される点に注意が必要です。