2025年度の増額改定により、国民年金や厚生年金は「前年度よりも1.9%」増えています。
4月分と5月分の公的年金として6月から支給されていますが、物価高には追い付いていないため、生活費の負担が大きく改善することは難しいようです。
そのため、なかには「年金生活が大変」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、「生活状況が苦しい」と回答した高齢者世帯の方は55.8%を占めています。
2019年から開始された恒久的な制度「年金生活者支援給付金」をご存じでしょうか。
基礎年金を受給している方で、年金やその他の所得が一定基準額以下となる場合、年金生活者支援給付金の支給対象になります。
しかし、年金生活者支援給付金を受給するには「申請手続き」が必要です。
そこで本記事では、年金生活者支援給付金の《支給要件・基準額・申請方法》をわかりやすく解説します。
1. 「厚生年金+国民年金」と「国民年金のみ」の平均年金月額はいくら?
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は以下の通りとなっています。
1.1 国民年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
1.2 厚生年金+国民年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
一口に「年金」と言っても、受給額は現役時代の加入期間や報酬によって大きく異なり、月額1万円未満の人から30万円以上の人までさまざまです。
年金とその他の所得を合わせても収入が一定基準に満たない方は、「年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性があります。
この給付金は、老齢・障害・遺族いずれかの基礎年金を受け取っている方のうち、定められた要件を満たす場合に、2カ月に一度、本来の年金に上乗せして支給されるものです。