3. 「世帯分離」による主なデメリット3つ
世帯を分離することのメリットを確認しましたが、デメリットとなるケースもあります。
- 国民健康保険料が増えるケースがある
- 扶養控除や手当がなくなる
- 高額療養費制度の合算対象外になる
3.1 国民健康保険料が増加する場合がある
世帯分離によるメリットとして、親の世帯の国民健康保険料が減る可能性があることをあげました。しかし、その一方で、子の世帯の国民健康保険料が増加する可能性がある点に留意しましょう。
親の世帯は国民健康保険料が減っても、子の世帯の国民健康保険料が増えれば、世帯全体で見たときに保険料の総額が増えてしまうケースも考えられます。
3.2 扶養控除や手当が喪失する
子が親を税法上の扶養に入れていた場合、世帯分離によって扶養控除が受けられなくなるケースがあります。また、家族手当など、企業からの手当が支給されなくなる可能性も考慮しておきましょう。
3.3 高額療養費制度の合算対象外になる
高額療養費制度は、医療費の自己負担が高額になった場合に、一定額を超えた分が払い戻される制度です。同一世帯の医療費を合算して上限額を計算しますが、世帯分離すると合算できなくなるため、個々の負担額が増える可能性があります。
なお、世帯分離の手続きは、お住まいの市町村にて手続きを行います。
本人確認や生計が別であることを証明する書類などを提出する必要があり、やや煩雑である点にもご留意ください。