7月に入り、今年も半分が過ぎ去りました。間もなく夏本番を迎え、本格的なレジャーシーズンがやってきます。

一方で、長期化する物価高騰は家計を圧迫し、日々の生活への不安は拭えません。特に老後の生活を支える年金制度については、将来への漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

年金制度は複雑で分かりにくいと感じるかもしれませんが、ご自身の将来設計において、制度の仕組みや受給額の目安を把握することは非常に重要です。

この記事では、日本の公的年金制度の基本的な構造から、具体的な受給額の目安までを詳しく解説していきます。年金に関する疑問を解消し、安心して老後を迎えるための知識を深めましょう。

1. 国民年金だけ?厚生年金ももらえる?日本の公的年金制度のしくみとは

【写真】厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

公的年金制度は「2階建て」になっており、1階部分にあたる「国民年金」の上に、2階部分にあたる「厚生年金」が積み上がっている構造です。

原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入するのは「国民年金」で、年金保険料(※1)は全員一律です。保険料を全期間(480月)納付すると、65歳以降で満額(※2)を受給できます。もし未納期間があれば、その期間に応じて満額から差し引かれます。

一方、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入するのが「厚生年金」です。収入に応じた年金保険料(※3)を納めます。受給額は、加入期間と在職中の収入に応じて計算されます。基本的には、加入期間が長く、収入が高かった人ほど、将来受け取れる金額は多くなります(ただし上限あり)。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される