夏本番を迎える2025年7月。暑い日が続きますが、家計を預かる身としては、涼しい場所でじっくりと将来のお金について考える絶好の機会かもしれません。
特に、老後の生活の基盤となる「年金」については、多くの人が関心を寄せていることでしょう。厚生労働省の最新データによると、公的年金の平均月額は国民年金で約5万円、厚生年金で約14万円となっています。
しかし、この平均額だけを見て、ご自身の老後の生活が安泰だと考えるのは危険です。実際には、年金受給額には大きな個人差があり、中には年金だけでは生活費が不足してしまうケースも少なくありません。
本記事では、公的年金の平均額の内訳と、年金収入の不足を補う可能性のある「年金生活者支援給付金」について、その仕組みと活用方法を分かりやすくお伝えします。
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1. 【公的年金】厚生年金と国民年金の「みんなの月額平均」はいくら?
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。
ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。
年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の低所得となる場合には「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることをご存じでしょうか。
次では、この「年金生活者支援給付金」の支給要件や金額について整理していきましょう。
2. 2ヵ月に1度基礎年金に上乗せ支給「年金生活者支援給付金」とは?
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。
2019年に始まった比較的新しい制度なので、聞きなれない人もいるかもしれません。受給中の年金に合わせて、以下の3種類の給付金が設定されています。
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
次では年金生活者支援給付金の「給付額」や「支給要件」について見ていきます。