「貯蓄から投資へ」という流れの中、2025年7月に金融庁が「資産運用課」を新設し、国として資産形成を後押しする動きが加速しています。一方、J-FLECの調査では、30歳代単身世帯の約3人に1人が「金融資産ゼロ」という実態も明らかにされました。「金融資産がない=投資をしていない」と思いがちですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
今回は、投資初心者が知っておきたい基本知識とともに、「少額からでも始められる」資産形成のヒントを解説します。
1. 【30歳代単身世帯】「平均459万円だが中央値90万円」約3割が金融資産ゼロ
まずは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」30歳代単身世帯の金融資産保有額階層ごと世帯割合(金融資産を保有していない世帯を含む)についてみていきましょう。
※金融資産保有額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
30歳代・単身世帯では、金融資産をまったく持たない人が約33%と、3人に1人が「金融資産ゼロ」という結果に。平均額は459万円であるものの、中央値は90万円と大きな差があり、一部の高額保有者が平均を押し上げています。「3000万円以上」は3.1%とごく少数いることもわかります。しかし、全体的に金融資産の保有が少ない傾向で、保有者の中で最も多いのは「100万円未満」で15.3%、資産形成がまだまだこれからの層が目立ちます。
このデータを見て「自分もそろそろ資産形成を考えないと」と感じた方はいるのではないでしょうか。
そこで、これから投資で資産形成をはじめたいと考えている初心者の方のために、まず知っておきたい基本的な知識や考え方を解説していきます。