7月、参議院選挙の選挙戦が本格的にスタートしました。各政党が掲げる公約の中で、「消費税の引き下げ」という言葉を目にする機会も多いのではないでしょうか。日々の買い物で誰もが負担する「消費税」は、私たちの暮らしに直結する重要なものです。投開票日の7月20日を前に、「そもそも消費税とはどんな税金で、何に使われているのか」そして日本の消費税は世界と比べてどうなのか、分かりやすく解説していきます。

1. 【国の収入の約2割】「消費税ってこんなに払っているの?!」

消費税は私たちが商品やサービスを購入する際にかかる税金で、現在は主に10%(一部品目は軽減税率8%)です。年齢や収入、仕事をしているかどうかに関わらず誰もが負担するため、国の安定した収入源となっています。そんな、ふだんの買い物で何気なく払っている消費税ですが「全部かき集めるとどれくらいの金額になるのか?」国税庁が公表する2024年度の一般会計歳入(当初予算)でみてみましょう。

国の収入(2024年度の一般会計歳入・当初予算)

国の収入(2024年度の一般会計歳入・当初予算)

出所:国税庁「国税庁について」

歳入とは、国が1年で得るすべての収入のことです。その中でも「一般会計歳入」は、社会保障・教育・防衛など国の基本的な活動に使われるお金の収入部分を指します。2024年度の一般会計歳入(当初予算)は約112兆6000億円です。このうち消費税収は約23兆8000億円と見込まれており、これは歳入全体の約21%に相当します。また、税収(租税および印紙収入)全体約69兆6000億円の中でも消費税は約34.2%を占めており最大の税収といえるでしょう。所得税(源泉+申告)は約17兆9000億円、法人税は約17兆円で、いずれも消費税より少ない見込みです。このことからも、消費税は予算ベースでも「国の収入を支える最も大きな柱」となっていることがわかります。