佐々木氏は母親が不安になる原因として、育児環境の孤立も指摘します。「(孤立は)人間を潜在的に非常に不安にします。人間の本性としての集団欲求が満たされないわけですから、潜在的な不安が大きくなるわけです。不安がつのると、人は衝動的になる。同時に完全癖が出てくる」というのです。

完全癖に対して、佐々木氏は「子どもにとっては大変迷惑な話です」とも代弁しています。基本的にママは不安いっぱいで育児をしますが、些細なことでも誰かに相談したり、愚痴を言うことができれば、不安をおさえることができるでしょう。

元々人に相談するのが苦手な筆者ですが、この言葉を知ってから、小さなことでも親やママ友に話すようにしました。小さなことでも相談すると、「みんな同じような悩みを抱えている」ことも分かり、解決策も見つかり、一人で抱え込むより気が楽になりました。

自分の気持ちに素直に生きる

人とのかかわりを増やすのと同時に、自分の気持ちに素直になるようにも心がけました。不安にとらわれることなく、子どもたちの前で自分らしくいるためにです。

「今日は子どもを病院に連れて行って疲れたから、夕飯は簡単なものにしよう」「今日は嫌なことがあったから、本を読んでゆっくり過ごそう」と自分の心身も大切にし、自然な状態でいると、日常の疲れも緩和されます。そこで「今までの疲れは寝不足や物理的な疲れだけでなく、気疲れも大きかった」と気付かされました。

自分を大切するようになって初めて、「どんなに家事を頑張っても、ママが家庭で居心地悪く感じていては子どもも家で落ち着けない」ことにも気付きしました。小2の長男も、筆者が無理をして疲れていると、「ママが自分の好きなことをやってくれないと俺は悲しいよ」と言います。

ワンオペ育児で子どもを見る大人が自分しかいないからこそ、人に相談したり、自分を大切にすることが大切なのではないでしょうか。

宮野 茉莉子