2025年6月13日、年金制度の改正法が国会で可決されました。

「将来、年金は本当に受け取れるのか?」「老後の生活は成り立つのだろうか?」

そんな不安を抱く現役世代は少なくありません。

この記事では、現在の高齢者世代の実際の暮らしについて、総務省・内閣府・厚生労働省などの公的データをもとに解説します。

貯蓄額の実態や高齢者の就労状況、公的年金の支給水準などを確認しながら、これからの老後設計に向けてヒントを見つけてみましょう。

1. 65歳以上のシニア夫婦「貯蓄額が500万円に満たない世帯」は約22%…

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)貯蓄の状況」より、「世帯主が65歳以上」のシニア世帯の貯蓄事情を確認していきましょう。

世帯主が65歳以上の二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値は以下のとおりです。

  • 平均値 2509万円
  • 貯蓄保有世帯の中央値 1658万円

なお、貯蓄額が500万円に満たない世帯は21.7%となっています。一方で、4000万円以上もの貯蓄を保有する世帯は20.0%に。

  • 100万円未満:8.1%
  • 100万円以上~200万円未満:3.6%
  • 200万円以上~300万円未満:3.1%
  • 300万円以上~400万円未満:3.6%
  • 400万円以上~500万円未満:3.3%
  • 500万円以上~600万円未満:3.3%
  • 600万円以上~700万円未満:2.9%
  • 700万円以上~800万円未満:2.8%
  • 800万円以上~900万円未満:3.3%
  • 900万円以上~1000万円未満:2.5%
  • 1000万円以上~1200万円未満:4.8%
  • 1200万円以上~1400万円未満:4.6%
  • 1400万円以上~1600万円未満:5.1%
  • 1600万円以上~1800万円未満:3.3%
  • 1800万円以上~2000万円未満:3.3%
  • 2000万円以上~2500万円未満:7.4%
  • 2500万円以上~3000万円未満:5.8%
  • 3000万円以上~4000万円未満:9.4%
  • 4000万円以上:20.0%

老後に貯蓄が必要か否か、そして必要な場合それはいくらなのか、は各世帯の暮らしぶりによって異なります。

上記の貯蓄額に正解・不正解はありませんが、年齢を重ねることにより医療費の負担増や介護費用の発生などの可能性が高まることを鑑みると、ある程度の備えがあると安心でしょう。

さて、2025年4月に施行された高年齢者雇用安定法の改正により、企業には65歳までの雇用確保が完全に義務付けられ、シニア層が働きやすい環境が一層整いつつあります。

次章では、シニアの就業状況について見ていきましょう。