3.2 国民年金の平均月額はいくら?
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金の受給額の多くは「月額6万円以上~7万円未満」に集中しています。
月額1万円未満から7万円以上までの幅はありますが、保険料が全員一律(年度ごとに見直しあり)であるため、厚生年金ほど大きな個人差は見られません。
4. シニア世代の暮らしぶりから考えたい「老後対策」とは
厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金のみで生活している人の割合は43.4%となっています。
つまり、公的年金を受給している高齢者世帯の約6割が「年金だけでの生活が難しい」現状にあることが見て取れます。
年金だけで生活費をまかなえない場合は、現役時代から準備してきた貯蓄の取り崩しや私的年金、不労所得、労働収入、子ども世帯からの仕送りなど、さまざまな手段が考えられます。
シニア層の就業率が上昇しているため、働いて収入を補填する世帯もありますが、健康や体力の低下により働くのが難しくなる可能性も念頭に置く必要があります。
上記をふまえ、やはり現役時代に十分な準備をしておくことが安心につながるでしょう。
5. まとめにかえて
今回は、令和シニアの貯蓄事情や就業率、年金の受給状況などについて詳しく見てきました。
65歳以上の高齢者世帯の平均貯蓄額は2509万円。貯蓄額が500万円未満の世帯が約22%いる一方で、4000万円を超える世帯の割合は全体の20%を占めています。
5世帯に1世帯が貯蓄額4000万円を超えているというのに驚いた方も多いのではないでしょうか。
また、「みんなそんなに貯めているなんてすごいな。うちは難しいかも」と不安を感じた方も中にはいらっしゃるでしょう。
ただ、老後にまとまった貯蓄を有している方のなかには「退職金を受け取った」や「相続でまとまったお金が入った」等の理由で一時的に貯蓄額が増えたという方もいらっしゃいます。
一方、若いうちからコツコツ貯金したり投資などをして少しずつ資産を増やしていったという方もいらっしゃいます。
老後にどれだけ貯蓄を有すことができるかは、現役時代からどれだけコツコツ将来に向けて準備してきたかによります。
老後に精神的なゆとりを得られるくらいまとまった貯蓄を持っておきたいのであれば、今のうちから将来に向けた貯蓄の準備を始めましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)貯蓄の状況」
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
鶴田 綾