8. 豆知識:老齢年金生活者支援給付金
老齢基礎年金を受給しており、かつ同一世帯の全員が市町村民税非課税である人は、前年の公的年金等の収入金額(※)とその他の所得との合計額が次に当てはまる場合、「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」の支給対象となります。
※障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない
8.1 昭和31年4月2日以後生まれの方
- 老齢年金生活者支援給付金:78万9300円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金:78万9300円を超え88万9300円以下
8.2 昭和31年4月1日以前生まれの方
- 老齢年金生活者支援給付金:78万7700円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金:78万7700円を超え88万7700円以下
老齢年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして年金支給日と同じ日に支払われます。
2025年度の給付基準額は5450円(月額)で、この基準額をもとに、保険料納付済期間等に応じて実際の給付金額が計算されます。
支給対象となった場合には、日本年金機構からお知らせを兼ねた請求書が届きます。これを提出して請求手続きをおこなわないと、年金生活者支援給付金を受け取ることはできません。所定事項を記載して必ず返送しましょう。
ただし、「日本国内に住所がないとき」「年金が全額支給停止のとき」「刑事施設等に拘禁されているとき」は、いくら支給要件を満たしていても支給されません。
9. まとめ
ここまで、日本の公的年金制度の基本的な仕組みから、2025年度の年金額改定、さらには年代別の平均受給額について解説してきました。ご自身の年金受給額の見込みを知るためには「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の活用が非常に有効です。
また、繰上げ・繰下げ受給、加給年金、年金生活者支援給付金といった制度も、老後の生活設計において重要な役割を果たします。
これらの情報を参考に、今後の働き方や資産形成について具体的に考えるきっかけとしていただければ幸いです。老後の備えは、早めに始めるに越したことはありません。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「ねんきんネット」とは?
- 日本年金機構「年金Q&A(年金生活者支援給付金の支給要件)年金生活者支援給付金の対象となるのはどんな人ですか。」
石津 大希