2025年7月2日、厚生労働省より「生活保護の被保護者調査」の結果が公表され、4月分の生活保護世帯は対前年同月と比べ0.3%減となったことがわかりました。

しかし被保護実人員数は199万418人に上り、人口における保護率は1.61%とされています。

さらに、65歳以上の高齢者世帯は90万5833世帯。被保護実世帯のうち55.4%を占めていることから、老後の年金生活において経済的な苦しさを感じている人は少なくないと考えられます。

そこで本記事では、65歳以上のうち「無職世帯」に焦点をあて、その暮らしぶりを見ていきます。

1. 65歳以上高齢者世帯「住民税非課税世帯」にも該当しやすい

65歳以上の高齢者世帯は、「住民税非課税世帯」にも該当しやすいと言われています。

65歳以上で「年金収入のみ」となる世帯では、住民税が非課税となる限度額が高めに設定されています。

老後の年金生活に入ると、一般的には現役時代よりも収入が減る傾向があります。さらに、65歳以上の人には公的年金に対する所得控除が大きいうえ、遺族年金や障害年金は非課税です。

こうした背景から、年金暮らしのシニアは「住民税非課税世帯」に該当しやすいと言えるでしょう。

厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」から、住民税が「課税される世帯」の割合を、年代別に見てみましょう。

【年代別】住民税が課税される世帯の割合

【一覧表】住民税課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 30歳代:88.0%
  • 40歳代:90.0%
  • 50歳代:86.4%
  • 60歳代:78.3%
  • 70歳代:64.1%
  • 80歳代:47.5%
  • 65歳以上(再掲):61.9%
  • 75歳以上(再掲):50.9%

※全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯が含まれます。
※総数には、年齢不詳の世帯が含まれます。
※住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯が含まれます。

住民税が課税される世帯の割合は、30~50歳代では約90%でしたが、60歳代で78.3%にまで下がります。

その後65歳以上は61.9%、75歳以上は50.9%と、年齢が高くなるにつれて、住民税が課税される世帯の割合は低くなっていきます。