3. 令和7年度の税制改正と「年金の源泉徴収」
老齢年金からは、所得税や介護保険料などの各種税金や保険料が差し引かれます(※)。
このうち、所得税の基礎控除額が「令和7年度税制改正」で改定されました。
3.1 令和7年分の所得税の源泉徴収と還付イメージ
そのため2025年10月の年金支給時までは「改正前の所得税額」で源泉徴収をおこない、2025年12月の年金支給時に、「改正後の金額と改正前の金額の差額」が還付されることになっています。
※年金からの天引きとはならないケースもあります。
4. 最後に、元信用金庫職員のひとこと
今回は、65歳以上・単身無職世帯の家計の実態を解説しました。信用金庫職員時代にお会いした「年金もう少し増えないかな」と話されていたお客様のことを今でも覚えています。「年金だけでは不安」と感じる方は少なくないと実感しています。だからこそ、年金額や生活費を“見える化”しておくことが、安心につながる第一歩だと思います。
まずは今回の資料をもとにライフプランを作成してみましょう。ライフプランを作成すると、老後まで残りいくら必要なのかが明確になります。その必要資金のために、毎月いくら積立や貯蓄をしていけばいいか確認しましょう。年齢や状況に応じて相性のいい資産形成方法は違います。ただなかなか自分で判断するのは難しいと思います。そこで自分に合った資産形成を始めたり見直しするためにファイナンシャルアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構 令和7年4月分からの年金額をお知らせする「年金額改定通知書」、「年金振込通知書」の発送を行います
- 日本年金機構「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
野平 大樹