2. シニアの就業率は上昇傾向…年金を受けとりながら働く「在職老齢年金制度」も見直しへ
内閣府が発表した「令和7年版高齢社会白書」によれば、シニア世代の就業率は以下のとおり上昇傾向にあります。
75歳以上の就業率はほぼ横ばいで推移していますが、65歳~69歳では前年より1.6ポイント増の53.6%、70歳~74歳では1.1ポイント増の35.1%と、それぞれ上昇しています。
年金の受給開始年齢は原則「65歳」から。
この年金受給開始を遅らせる年金の繰下げ受給を選択して働くシニアもいますが、現状は少数派。
働くシニアのほとんどが、年金を受けとりながら働くことを選択しているようです。
こうした働く高齢者を後押しするため、2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」には、在職老齢年金制度の見直しも含まれています。
具体的には、2026年4月から、厚生年金を受け取りながら働く際の減額基準(月額収入の上限)が、現行の51万円(2025年度時点)から62万円へ引き上げられるというもの。
これにより、「収入が増えると年金が減るのでは」といった不安からくる“働き控え”がやわらぎ、高齢者がより柔軟に働きやすくなると期待されています。
では最後に、現在のシニア世代が受け取っている年金額の目安について確認していきましょう。