大切なご家族を亡くされた場合、葬儀費用などで急にお金が必要になることもあるでしょう。

そんなとき「故人の銀行口座からATMでお金を引き出してもよいのだろうか」と疑問に思う方もいるかもしれません。

また「役所に死亡届を出したら、すぐに銀行口座は凍結されてしまうのでは」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

今回は、ご家族に万が一のことがあった際に、どのように対応をしたらよいのか「故人名義の銀行口座」について詳しく解説します。

1. ご家族が亡くなったときは「すみやかに銀行に届け出る」のが基本です

bee32/istockphoto.com

銀行口座の名義人が亡くなったときは、速やかに届け出るのが基本です。

届けを受けた銀行は、故人の口座を停止するため、ご家族は故人の口座からお金を引き出せなくなります。

なお、故人の口座が停止されると引き落としや入金なども行われません。

1.1 故人の口座が「同じ銀行の複数の支店」にある場合

同一銀行内の同名義の口座は、すべて名寄せされて管理されています。

そのため、同じ銀行の複数の支店に口座がある場合、いずれかの支店に届けを出すと、同一銀行の同名義の口座はすべて使えなくなります。

1.2 故人が「複数の異なる銀行」にそれぞれ預金口座を持っている場合

故人がA銀行、B銀行、C銀行など、複数の異なる銀行にそれぞれ預金口座を持っている場合、A銀行のみに届けを出した際に、凍結されるのはA銀行だけです。

なぜなら、銀行間で死亡の情報を共有することはないからです。

また、役所へ死亡届を提出しても、役所が死亡に関する情報を銀行に伝えることはまずありません。