2. 【データで見る】精神障害者保健福祉手帳の等級別所持状況
2022年の調査によると、精神障害者保健福祉手帳の総所持者数は120万3000人でした。このうち、2級の所持者は50.5%で60万8000人と最も多く、日常生活に著しい困難を抱えながらも地域で生活する方が多数を占めます。また、3級所持者も前回調査から約1.6倍に増加しており、生活に不安や困りごとを持つ方々が早期に支援へつながるケースが増加傾向にあることが示唆されています。これらのデータは、精神的な支援を必要とする層が広がり、一人ひとりの状況に応じた制度活用が進んでいる現状を反映していると言えるでしょう。
2.1 等級ごとに異なる生活への影響
「精神障害者保健福祉手帳」の等級は1級〜3級まであり、精神疾患の状態と日常生活への影響をもとに総合的に判断されます。
1級:日常生活のほとんどにおいて、自力で行うことが困難で、常時の介助や支援が必要な状態
2級:日常生活に著しい制限があり、日常の多くの場面で継続的な支援や配慮を必要とする状態
3級:日常生活や社会生活に一定の支障があり、状況に応じた支援や配慮が必要となる状態
この等級制度は、個々の状態に応じた支援を設計することに役立つ仕組みです。適切な支援につなげるためにも、制度を正しく理解しておくことが重要です。次に、この「精神障害者保健福祉手帳」を持つことで受けられる支援内容について見ていきましょう。