3. 業種によっても平均年収に違いがある?最も高い平均年収は「775万円」
これまで企業規模別の平均年収や貯蓄額を確認してきましたが、実際の収入は企業規模だけで左右されるものではありません。
国税庁が公表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、業種別の平均年収は以下のとおりです。
- 電気・ガス・熱供給・水道業:775万円
- 金融業・保険業:652万円
- 情報通信業:649万円
- 学術研究・専門・技術サービス業・教育・学習支援業:551万円
- 建設業:548万円
- 複合サービス事業:535万円
- 製造業:533万円
- 運輸業・郵便業:473万円
- 不動産業・物品賃貸業:469万円
- 医療・福祉:404万円
- 卸売業・小売業:387万円
- サービス業:378万円
- 農林水産・砿業:333万円
- 宿泊業・飲食サービス業:264万円
この結果から、同じ会社員であっても業種によって収入水準に大きな差があることがわかります。
加えて、同じ業種内でも役職や担当する業務内容によって収入には幅が生じるのが現状です。
このような状況を踏まえると、業界や職種の特性、さらに将来のキャリア形成まで視野に入れ、自分に合った働き方を検討する必要性が高まっているといえます。
近年では、副業を認める企業が増加しており、働き方改革やリモートワークの浸透により、収入源を一つに絞らない選択肢も現実的になってきました。
また、今後のキャリアやライフプランを考えるうえで、「どのように収入を得るか」「どのように資産を育てるか」という視点を持つことも大切でしょう。
4. キャリアと資産形成、どちらも見据えた選択を
今回は、企業の規模別、業界別の平均収入について見てきました。最近では、年収アップを目指して転職することも珍しくない時代になりました。
自分のキャリアを考えるときには、ある程度の収入が見込める業界や企業に転職するのもひとつの選択肢になるでしょう。
一方、仕事を決める理由は収入だけではありません。適性ややりがい、職場環境等も重要なポイントになります。広い視野を持って、自分のキャリアを決めることが大切です。
また、収入を増やすことには限界もあるため、「今あるお金を効率よく増やす」という視点も大切です。最近では、株や投資信託などを使った資産運用に取り組む人も増えています。
収入を増やすことと、お金を増やすこと。どちらにも目を向けて、今できることから取り組んでみましょう。
参考資料
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
- 総務省「2024年(令和6年)家計調査/ 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表(8-7表)」
- 国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査結果について」
橋本 優理