企業説明会では就活生の関心度が高い「働き方改革」について、各社が猛アピールしている傾向にあります。

実際、日本生産性本部が実施した今年4月入社の新入社員意識調査でも「残業は多いが、仕事を通じて自分のキャリア、専門能力が高められる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」のどちらがよいかの設問に対し、後者と答えた割合は75.9%と前者に大差をつけました。

ただ注意点としては、表面的な働き方改革になっていないかという点。入社後に理想と現実のギャップで離職という可能性もあるので現状を伝えることが好ましいと言えます。

また、働き方改革をPRしたい企業は、改革の結果だけを伝えるのではなく、そこに至ったストーリーを伝えると就活生も話に引き込まれやすくなります。

筆者のクライアントも、「有給休暇100%取得物語」と題して、100%を達成するまでのストーリーをミニマンガにしてパンフレットと一緒に配ることで、応募者数が3倍に増加。ストーリーの中で垣間見れる社長の思いや人事、現場の努力が「人材を大切にする企業」という印象につながったようです。

「社内の雰囲気」を気にする

新卒逆求人サイト「OfferBox(オファーボックス)」シリーズを運営するi-plugは、2019年卒の学生を対象とした「働き方」に関する意識調査の結果を発表。その調査の中で、どのような企業に魅力を感じるか尋ねたところ、「社内の雰囲気が良い」が82.8%でトップ。以下、「成長できる環境がある」が67.5%、「将来性がある」が60.3%、「給与が高い」が56.8%、「理念・ビジョンに共感できる」が44.1%と続いています。

社内の雰囲気を伝えるため、会社説明会では会社のことを自分の言葉で語れる2年目・3年目の社員に就活生とのコミュニケーションを図ってもらうケースが多いと思いますが、そうした取り組みは大学生側の満足度も非常に高いように感じます。

企業説明会後のキャリア相談でも、「○○企業の△△さんが面白くて、一緒に働きたいと思った」「就活の悩みを親身に聞いてくれた」「リアルな残業時間や会社の雰囲気も聞けて良かった。残業は毎日あるみたいだけど、若いうちから裁量を持って仕事ができそう」など、前向きな意見が多くなっています。

また、現場の社員が同席できない場合でも、社内の雰囲気が分かるエピソードや主要なメンバーの性格を血液型や動物占いなど分かりやすく面白く伝えることで好感を持たれやすくなります。

選考当日にドタキャンもありえる