3. 厚生年金の受給額を増やす方法とは?

公的年金は終身にわたって支給されるため、受給額が多いほど安心できます。「手取りの年金額>基礎生活費」という家計運営を継続できれば、基本的に家計の破綻はあり得ません。

厚生年金を増やすためには、厚生年金保険の加入期間を伸ばす方法と、加入期間中の報酬を高める方法があります。

厚生年金の受給額を増やす方法

厚生年金の受給額を増やす方法

出所:日本年金機構「は行 報酬比例部分」

65歳以降も厚生年金保険に加入して働き続けることで、年金額を増やせます。フルタイムでなくても、短時間労働者の雇用形態であれば、心身に過度な負担をかけず無理なく働けるでしょう。

年金受給開始となる基準は65歳ですが、繰下げ受給を選択すれば、1カ月あたり0.7%ずつ年金額を増額できます。70歳まで繰下げれば42%の増額となり、一度決まった増額率は終身にわたって変わりません。

さらに、働き続けることで老後資金を取り崩す期間を短縮できるメリットもあります。老後期間そのものを短くすれば、老後資産が枯渇してしまうリスクを抑えられるでしょう。

4. まとめにかえて

公的年金の受給額データから、年金を月額で20万円受給できる人は、かなり少ないことがわかります。しかし、65歳以降も厚生年金に加入し続けることで、状況を改善することが可能です。

できるだけ長く働けば年金額を増やすことができ、70歳からの繰下げ受給を選択すれば65歳時点より42%増えた年金を受給できます。

さらに就労期間の延長により、老後資金の取り崩し期間を短縮でき、資産枯渇リスクも軽減できます。「手取り年金額が基礎生活費を上回る」状態を目指し、老後の経済的な安心を得ましょう。

参考資料

柴田 充輝