普段の何気ない私たちの日常を数字で見てみると驚くほど具体的な日本の現状課題が見えてきます。今回は、厚生労働省の統計データ「日本の1日」をもとに、夫婦の育児時間の格差、人口減少、労働、医療、介護といった喫緊の課題について解説します。7月の参院選を前に、私たちの暮らしと社会について考えていきましょう。
1. 「1日に2325人減っている」日本の人口問題とは?
厚生労働省が公表する「日本の1日」をみることで、日々の生活の中での出来事のようにイメージしやすく、物事の発生頻度や規模感を把握しやすくなります。日本で1日に起こる出来事の数を調べてみた「日本の1日」をみていきましょう。
※統計数字は、令和元年〜令和5年におけるそれぞれの直近の数字です。
【日本で1日に起こる《人口》について】
- 生まれる人数:1993人
- 亡くなる人数:4318人
→がん:1048人
→心疾患:633人
→脳血管疾患:286人
→事故:122人
→仕事中の事故:2人
→老衰:520人
→自殺:60人
「日本の1日」の統計データから、日本では毎日1993人が生まれる一方で4318人が亡くなっており、結果として1日あたり2325人の人口減少が進行していることがわかります 。特に、死亡原因としては「がん」が1048人と最も多く、「老衰」も520人に上るなど、高齢化に伴う疾病や自然死が増加傾向にあります 。この急速な人口減少と高齢化の進行は、社会保障制度の持続可能性や労働力人口の確保といった、日本の喫緊の課題を浮き彫りにしています。