「今の日本はどこに向かっているのでしょうか?」
それは誰にもわからないことですが、厚生労働省が発表している「100人でみた日本」を見ることで今の日本がどんな問題を抱え、これからどこへ向かって進むべきなのかを考えるヒントを与えてくれます。今回は厚生労働省の統計データである「100人でみた日本」をもとに、日本の《人口・労働・福祉と健康》を切り口に現状課題を解説します。7月の参院選を前に確認してみましょう。
1. 【人口構成】「100人でみた日本」急速な高齢化が進む社会の姿
【性別】
- 男性:48.6人
- 女性:51.4人
【年齢】
- 15歳未満:11.4人
- 65歳以上:29.1人(このうち75歳以上:16.1人)
日本の人口は女性が男性よりやや多いことがわかります。また、15歳未満の子どもが11.4人なのに対し、65歳以上が29.1人、さらにそのうち75歳以上が16.1人を占めており、急速な高齢化が進んでいる現状がうかがえます。
2. 【労働の現場】「100人でみた日本」多様な働き方と見えてくる課題
【仕事についている人は54.3人と半数以上】
- 自営している人:4.1人
- 雇われている人:48.9人
→男性:26.4人/女性:22.5人
【雇用形態】
- 正社員:29.1人
- 非正規雇用:16.5人
→パート:8.3人、アルバイト:3.7人、派遣:1.3人、契約社員・嘱託:3.2人
【勤務時間】
- 週35時間未満(短時間):17.5人
- 週60時間以上(長時間):2.9人
日本の労働者の働き方が多様化しており、正社員の次にパートとして働く人が多いこと、また派遣や契約社員・嘱託といった非正規雇用も一定数存在することが分かります。くわえて、週35時間未満の短時間労働者が17.5人いる一方で、週60時間以上の長時間労働者も2.9人存在しています。働き方の多様性の裏で労働時間に関する二極化やそれに伴う課題が潜在している可能性がうかがえます。
3. 【福祉と健康】「100人でみた日本」社会が支える暮らしと新たな負担
【福祉・年金について】
- 老齢年金の受給者:27.8人
- 障害者:9.3人
- 生活保護受給者:1.6人
- 介護サービス利用者:4.3人
100人のうち約3割弱にあたる27.8人が老齢年金を受給しており、高齢者人口の多さを改めて実感させられます。また、生活保護受給者が1.6人、介護サービス受給者が4.3人、障害者が9.3人いることから、年金受給者以外にも社会的な支援を必要とする人々が一定数存在し、福祉サービスへの需要が高いことがうかがえます。
【健康・医療について】
- 日常生活の悩み・ストレスを感じている人(12歳以上):46.1人
- 健康状態が「よくない」「あまりよくない」と感じている人(6歳以上):12.6人
- 病気やケガなどで通院している人:41.7人
- 健康保険加入者:77.9人
→組合健保・協会けんぽ:55.0人/国民健康保険:22.9人
100人のうち、約半数の46.1人が日常生活で悩みやストレスを感じており、また12.6人が健康状態を「よくない」「あまりよくない」と感じているなど、多くの人が何らかの心身の不調を抱えている現状が分かります。さらに、約4割の41.7人が通院している現状は、前述の【福祉・年金について】の介護サービス利用者や老齢年金受給者と関連して、医療費や社会保障費の増加という課題を示唆していると言えますね。ちなみに、健康保険加入者の合計が100人にならないことから、後期高齢者医療制度の加入者や生活保護受給者などが含まれていない可能性があります。
4. 「どのような社会を目指すべきなのか?」を考えるきっかけに
今回は「100人でみた日本」をもとに、日本の「人口構成」「労働の現場」「福祉と健康」の現状と課題について解説しました。
まとめると、
- 人口は急速な高齢化
- 労働現場では働き方が多様化
- 多くの人が何らかの心身の不調を抱え、社会保障への需要が高まる
100人に縮図することによって、身の回りにも起こりうる問題だと実感しやすくなります。「100人でみた日本」は
私たち一人ひとりの暮らしと密接に関わる日本の今を映し出しています。
そして、間もなく始まる《参議院選挙》はこの日本の未来を形作る重要な機会となります。現在の与党である自民党は「日本を動かす 暮らしを豊かに」と題した選挙公約を発表し、【国内総生産(GDP)1千兆円の実現や国民所得5割増し】を掲げ、私たちの暮らしを豊かにするビジョンを示しています。私たち一人ひとりの投票行動が、この公約が示すような未来を実現できるかどうかに大きく関わってくることでしょう。
参考資料
村岸 理美