日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て構造。年金だけで老後の生活をまかなえるのか、不安に感じる人も多いのではないでしょうか。本記事では、厚生労働省や金融経済教育推進機構の最新データをもとに、国民年金と厚生年金の平均受給額や、年齢層・性別ごとの違いを一覧で紹介します。年金支給日や繰り下げ受給など、制度の基本も整理しながら、「年金で足りない」と感じる背景や課題を分かりやすくお伝えします。

1. 【図解でわかる】公的年金制度は「2階建て構造」

日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が原則加入
  • 保険料:全員定額(※1)
  • 受給額:40年間欠かさず納めれば満額(※2)
  • 被保険者:第1号~第3号(※3)

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした人が、国民年金に上乗せで加入
  • 保険料:収入に応じて決定(※5)、給与からの天引きで納付
  • 受給額:加入期間・納付済保険料により個人差あり
  • 被保険者:第1号~第4号(※6)

年金の支給日は「2月・4月・6月・8月・10月・12月」の15日です。なお、15日が土日・祝日にあたる場合、支給日は直前の平日へと前倒しされます。

なお、各支給日には「前月までの2カ月分の年金」が合算で支払われます。

例えば、6月であれば「4月・5月分」、2月であれば「12月・1月分」の年金が振り込まれる仕組みです。

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者