8月は暑さが厳しく、体力も気力も奪われがちです。外に出る機会が減り、冷房を使う時間が増えることで電気代も気になります。

そんな中、「年金だけで生活するのが厳しい」と感じている方に、ぜひ知っておいてほしいのが「年金生活者支援給付金」です。

この制度は、年金を含めた所得が一定以下の年金受給者に対して、毎月の年金に上乗せして給付金が支給される仕組みです。ただ、制度の存在は知っていても、「自分が対象なのかわからない」「申請が面倒そう」と感じている方も多いかもしれません。

この記事では、年金生活者支援給付金の内容や対象者、給付額、申請の方法まで、やさしく解説します。夏の出費がかさむ今、利用できる制度を知って、少しでも安心できる暮らしにつなげていきましょう。

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1. 年金生活者支援給付金ってどんな制度?

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

ただし厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。

年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の所得となる場合には「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることをご存じでしょうか。

2. 年金生活者支援給付金は【老齢・障害・遺族】の3種類

「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。

2019年に始まった比較的新しい制度なので、聞きなれない人もいるかもしれません。受給中の年金に合わせて、以下の3種類の給付金が設定されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金