2. 「先生って名札持ってないでしょ?」と気づいた年中児
石川さんに、年中児が名札を作ってくれた経緯を尋ねると、「2024年の12月、年中児(4歳)が園にあるアトリエで過ごしていたときに近くを通りかかると、『あ、園長せんせいって名札もってないでしょ?ちょっとまってて!つくってあげる』と、私が名札をつけていないからつくってあげようとひらめいたようでした」と説明。
それから数分後、年中児は名札にセロテープを貼って、事務室にいた石川さんのところに持ってきてくれたそうです。
石川さんは「子『できたよー。好きなところに貼ってね』私『ありがとう!じゃあ、ここに貼ろうかな?』と胸元に貼って、互いにオッケーのポーズをしました」と、当時のやりとりを振り返りました。
続けて「『取れたらまたテープ持ってくるから教えてね』と言ってくれ、颯爽とアトリエに戻っていきました。その後、他の先生の名札もつくっていたようです」と、その後についても教えてくれました。
3. 名札は現在もデスクに貼ってある
石川さんは当時の心境について、「嬉しさがまずあったのと、気づいただけで終わらずにつくろうとする行動力と誰かのためにつくる心もちに感動しました」と思わず心を動かされと話します。
続けて「また、ふだん呼んでいる『えんちょう』という言葉の音を自分なりの聞こえ方で『エんちょん』とそのまま表現する姿に、普段から職員全員で意識している『その子にとっての意味』を尊重する関わりが背景にあるように感じてまた嬉しさが込み上げてきました」と明かします。
名札は半年経つ現在も石川さんのデスクに貼ってあるそうです。