株式会社帝国データバンクは7月15日に「上場企業の平均年間給与に関する調査結果」を発表しました。
この調査は、2024年度決算期(2024年4月から2025年3月)を迎えた上場企業のうち、有価証券報告書に「平均年間給与」「従業員の平均年齢」「勤続年数」の記載がある企業を対象としています。
その結果、約3800社ある上場企業全体の平均年間給与(平均年収)は671万1000円となりました。
これは4年連続で前年度を上回っており、2023年度の651万4000円に比べて19万7000円、割合にして3.0%の増加です。
平均給与、増加額、伸び率のいずれも、過去20年間で最も高い数値となりました。
年収に影響を与える要素の一つに企業規模がありますが、実際に大企業と中小企業では、どのくらいの差があるのでしょうか。
この記事では、大企業と中小企業の平均的な年収、貯蓄額、さらに株式や投資信託などへの投資状況についても、金額を交えて紹介していきます。
1. 【大企業と中小企業】「平均年収」はどれくらい違う?
総務省「2024年(令和6年)家計調査/貯蓄・負債編(二人以上の世帯・詳細結果表 8-7表)」のデータをもとに、企業規模別に収入の状況を見ていきましょう。
なお、企業の規模については、厚生労働省が定める「賃金構造基本統計調査」の区分を参考にすると、以下のように分類されています。
- 大企業:常用労働者 1000人以上
- 中企業:常用労働者 100~999人
- 小企業:常用労働者 10~99人
まずは、企業規模ごとの平均年収を確認していきましょう。
1.1 大企業と中小企業の「年収」はどれくらい?
【企業規模別 年間収入】
- 1~9人:630万円
- 10~29人:672万円
- 30~99人:712万円
- 100~299人:772万円
- 300~499人:844万円
- 500~999人:788万円
- 1000人以上:928万円
平均年収に注目すると、大企業に勤める世帯では900万円を超えており、他の企業規模と比べても際立って高い水準にあります。
従業員数30~999人規模の企業では、おおむね700万~800万円台に収まり、小規模企業(1~29人規模)では600万円台にとどまるなど、企業規模によって年収に明確な差が見られます。