1.1 そもそも遺族年金とは?
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の二種類があります。
1.2 遺族基礎年金《男女差なし》
国民年金に加入していた方が亡くなった場合に、残された「子どもがいる配偶者」または「子ども」に支給される年金です 。受給期間は、子どもが18歳になった年度末まで(障害の状態にある場合は20歳未満まで)です 。この遺族基礎年金に男女差はありません。
今回の改正で、子どもの加算額が増額されます。
現在は子ども1人につき年額23万4800円、3人目以降は7万8300円の加算額がありますが、改正後は、子ども1人につき一律28万1700円へ加算額が引き上げられます。これは現在受給している方も対象となります 。
1.3 遺族厚生年金《男女差あり》
厚生年金に加入していた方が亡くなった場合に支給される年金です 。現行の制度では、子どもがいなくても受給できる場合がありますが、男女間で大きな違いがありました 。
- 男性(夫)の場合:55歳未満で妻と死別した場合は原則として給付なし、55歳以上で死別した場合は60歳になってから一生涯の無期給付を受けとることができます。
- 女性(妻)の場合:30歳未満で夫と死別した場合は5年間の有期給付、30歳以上で死別した場合は一生涯の無期給付を受けとることができます。
今回の改正で、この男女差が解消されます。60歳未満で死別した場合は男女共通で原則5年間の有期給付となる方向です 。ただし、有期給付の額には新たに「有期給付加算」が上乗せされ、現行の約1.3倍になる予定です 。