雨の季節を迎え自宅で過ごす時間が増える6月は、日々の家計や将来に向けたお金の計画について落ち着いて見直す良い機会です。

日常的な支出の変化を感じる場面が増える中、将来を見据えた資産形成のあり方について考え直す機会が多くなっています。

そのような状況下で、多くの方に関心を持たれているのが新NISAを活用した資産づくりです。

運用で得られた利益が非課税となるこの仕組みは、中長期的な資産形成を進める上で有効な選択肢のひとつといえます。制度の概要や特性をあらかじめ把握しておくことで、よりご自身のライフスタイルに合わせた活用が可能です。

また、積立金額や期間、想定される利回りによって、将来の資産推移のイメージは異なります。

本記事では、新NISAの基本的な特徴をご紹介するとともに、具体的な金額を用いたシミュレーションを通じて、資産形成のプロセスを分かりやすくお伝えします。

1. 知っておきたい!新NISAの主な特徴

NISA(ニーサ)は、個人の資産形成をサポートするための仕組みとして2014年に導入され、2024年からはさらに制度が拡充された「新NISA」としてスタートしています。

特筆すべき点は、投資運用によって得られた利益に税金がかからないことです。

通常、運用で得た利益には約20%の税金が発生しますが、NISAを利用する範囲内であれば税金が差し引かれることなく、利益をそのまま手元に残すことができます。

新NISA「非課税」のしくみ1/3

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

あらかじめ定められた利用枠や対象商品など一定のルールがあるため、事前に内容を確認しておくとスムーズです。

1.1 「新NISA」で押さえておきたい6つの特徴

「新NISA」の主なポイントは以下の6点です。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/3

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  1. 非課税保有期間は無期限
  2. 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  3. 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  4. 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  5. つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  6. 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

資産運用と聞くとまとまった資金が必要なイメージを持たれるかもしれませんが、現在では少額から無理なく始められる商品も多数用意されています。

新NISAを利用すれば、手軽な金額から投資信託や株式にアクセスできるため、これから資産づくりをスタートする方にとっても身近な仕組みといえます。

次章では、毎月一定額の積立を継続した場合に、将来どのような資産の推移が考えられるのかをシミュレーションで確認していきます。

2. 【利回り別】50歳から65歳「毎月10万円」で積立投資を行った場合

ここでは、以下の前提条件をもとに、NISAを利用して積立投資を行った場合、どの程度の資産形成が期待できるのかを確認します。

  • 50歳から65歳までの15年間で将来の資金づくりを行う
  • 積立額は毎月10万円
  • 運用利回りは年1~5%を想定

2.1 【試算結果を見る】「毎月10万円」×15年×「年1〜5%」で積立投資

【新NISA】想定利回り別「月10万円」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】運用利回り別「月10万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

想定利回り:資産評価額(元本部分は1800万円)

  • 年1%:1940万円
  • 年2%:2094万円
  • 年3%:2262万円
  • 年4%:2447万円
  • 年5%:2648万円

15年間にわたって毎月10万円の積立を継続した場合、元本1800万円に対して、運用状況により約140万円から約848万円ほどの収益が加わる可能性があります。

運用においては利回りが一定ではなく変動する特性があるため、その点をあらかじめ理解したうえで活用していくことが大切です。

3. 【積立額別】15年間で「2000万円」を目指す場合

将来を見据えた資金の目標額は人それぞれですが、ここでは2000万円をひとつの目安としたケースを想定します。

50歳から65歳までの15年間でこの金額を準備するには、毎月どの程度の積立が必要になるのかを試算します。

3.1 【試算結果を見る】「15年間」×年3%で積立投資

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:226万円
  • 3万円:679万円
  • 6万円:1357万円
  • 9万円:2036万円
  • 12万円:2715万円

※想定利回り:年3%

試算の結果、年利3%を想定して15年間運用した場合、毎月9万円を積み立てることで2000万円を超える資産形成が期待できる計算となります。

積立金額についてはご自身の状況に合わせて柔軟に設定し、無理のない範囲で継続していくことが大切です。また、利回りは変動する特性がある点も留意しておきましょう。

将来の資金づくりは、可能なタイミングから少しずつ始めていくことで、毎月の拠出額を平準化しやすくなります。

期間を長く確保することで、より穏やかなペースで資産形成のステップを進めていくことができます。

4. 【段階的に増やす資産形成】ライフスタイルの変化に合わせて積立額を見直す

最初は少額からスタートし、将来的に余裕ができたタイミングで積立額を増やしたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合は、家計の状況や収入の変化に合わせて段階的に積立金額を引き上げていく方法が適しています。

たとえば、まずは月1万円から開始し、5年ごとに2万円ずつ段階的に増額していくことで、25年間で合計1500万円の投資元本を準備することが可能です。

これを年利3%で運用した場合、最終的な資産は約1958万円となり、着実な資産の成長が見込まれます。

このアプローチは、初期の持ち出しを抑えつつ、家計にゆとりが生まれたタイミングで増額できるため、日々の生活への影響を抑えながら柔軟に取り組める点が魅力です。

長期的な資産形成においては、ご自身のペースで「継続すること」が大きなカギとなります。

まずは無理のない範囲で始め、ライフステージの変化に合わせて積立額を見直すことで、着実な資産づくりを進めていくことができます。

5. 新NISAを活用した資産づくりは「長期積立」と「非課税」の組み合わせがポイント

本記事では、新NISAの基本的な仕組みに触れながら、具体的な金額を用いたシミュレーションの推移をご紹介しました。

新NISAは、運用で得られた利益が非課税になることで、効率的な資産形成をサポートする有益な仕組みです。

その特性を活かすためには、制度の概要を理解したうえで、ご自身に適した積立額や想定期間をあらかじめイメージしておくことが大切です。

シミュレーション結果からもわかるように、利回りの想定や毎月の積立額によって、将来の資産の推移にはさまざまな形が考えられます。

短い期間で大きな金額を目指すよりも、長期的な視点を持って取り組むことで、毎月の拠出を平準化し、穏やかなペースで資産形成を進めやすくなります。

運用における特性をふまえつつ、ご自身のライフスタイルに合ったペースでじっくりと継続していくことが、将来を見据えた資産づくりの大切なポイントといえるでしょう。

参考資料