厚生労働省「令和7年版高齢社会白書」が公表されましたが、全国の60歳以上の男女に現在の経済的な暮らし向きについて聞いたところ、ひとり暮らしの世帯では41.5%が心配であると答えました(家計にゆとりがなく、多少心配であると家計が苦しく、非常に心配であるの合計)。

ひとり暮らし以外で心配であると答えたのは28.2%ですから、ひとり暮らし世帯の方が不安を感じているとわかります。

では、ひとりの老後の生活費や貯蓄額、収入の柱である年金は平均でいくらくらいでしょうか。

同調査の60歳以上のおひとりさまの月の収入額も細かく見ていきましょう。

1. 【ひとりの老後】おひとりさま「月の生活費」はいくらか

まずは総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」より、ひとりの老後生活費をみてきましょう。

ひとりの老後の生活費

ひとりの老後の生活費

出所:総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

 

 

1.1 ひとりの老後の月の支出

  • 消費支出:14万9286円
    • うち食料:4万2085円
    • うち住居:1万2693円
    • うち光熱・水道:1万4490円
    • うち家具・家具用品:6596円
    • うち被服及び履物:3385円
    • うち保健医療:8640円
    • うち交通・通信:1万4935円
    • うちその他:3万956円
  • 非消費支出:1万2647円

支出合計16万1933円

1.2 ひとりの老後の月の収入

  • 収入:13万4116円(うち社会保障給付12万1629円)

1.3 ひとりの老後の月の収支

  • ▲2万7817円

消費支出だけで15万円となり、税金や社会保険料とあわせると月の支出合計は16万円台です。

一方で、月の収入平均は13万円台となっており、約3万円近くの赤字が出るのが平均となっています。