株式投資の楽しみのひとつに配当金がありますが、投資信託でこれに相当するのが「分配金」です。

分配金の決まり方はどうなっているのでしょうか。長期の資産形成を狙うなら、どのような分配方針の投資信託を選べばいいでしょうか。

最近ネット証券で初めて投資信託を購入した投資信託初心者の相場晴子(アイバ・ハルコ)さんと大学の同級生で資産運用会社に勤めるファンドマネージャーの投信博士(トウシン・ヒロシ)さんも分配金について話しています。聞き耳を立ててみましょう。

投資信託の分配金とは。株式の配当金とは何が違うのか

相場:投資信託をいろいろ見ていると、分配金の高いものや、全然分配金が出ていないものまでいろいろなタイプがあるわね。

投信:そうだね。株式で言えば、無配(配当金がゼロ)の会社って業績不振というイメージが強いよね。

相場:分配金がゼロなんて、運用がうまく行っていないと告白しているようだわ。

投信:そうとは言えないなぁ。確かに運用が芳しくなくて分配金が払えないこともあり得るけど、あえて分配金を少なめにしたり、分配金を出さないと決めたりしている投資信託もあるんだ。

相場:えっ!どういうこと? 運用成績と分配金の額は連動しないことがあるということかしら。

投信:その通り。投資信託の分配金は、運用成績に関係していることは間違いないけれど、投資信託を購入するお客さんが定期的に分配金を受け取りたいと考えているのか、あるいは目先の分配金が多少でなくとも将来の投資機会を享受したいと考えているのかを見ながら販売されているのが実際といったところかな。

投資信託の分配金受取コースと再投資コースの違い

相場:この前投資信託を買ったとき、「分配金受取コース」か「再投資コース」のどちらかを選ぶことになったわ。2つの違いを説明してもらえるかしら。

投信:投資信託の基準価格が上昇した時、つまり、総資産規模が増えて分配金が支払われる場合、分配金受取コースは分配金から所得税と地方税が引かれた金額が指定口座に振り込まれる。

相場:なるほどね。再投資コースだと税金はどうなるのかしら。

投信:同じく税金を差し引いた金額で、その投資信託をそのときの基準価額で買い付けることになる。

相場:手元に現金が入ってこないで、買い増しに回るのね。でも税金の扱いは一緒なのね。

投信:注意してほしいのは、分配金受取コースの場合、受け取った分配金でまたその投資信託を買う際に、買付時の手数料とそれにかかる消費税の支払いが必要となるんだ。

相場:なるほど。じゃあ、私のように20年後の老後資金をちゃんと運用しようと考えるのなら、分配金がない方が運用上は有利ってことね。

投信:それはその通りだね。ただ、人にはそれぞれ人生計画、ライフデザインがあるだろうから、それに合わせて投資信託も設計されているんだ。この前、投資信託は「仕組み」でできているという話をしたけれども、投資信託の購入者は自分の希望やライフスタイルを考えて購入するのが良いと思う。

相場:でも、日本経済新聞の投資信託のオープン基準価額欄を見ても、数がたくさんありすぎてよくわからないわ。

投信:確かに投資信託は5000本以上設定されているからね。上場企業が3000数百社であること考えれば、投資信託の解説も必要だね。「投信四季報」みたいなバイブルがあってもいいよな。

相場:投資信託の中身を理解するには何か良いコンテンツはないのかしら。

投信:正直、投資信託を一覧できるコンテンツは少ない。ネット証券のランキングも正直参考程度というレベル。

長期投資にむく投資信託の分配金コース

相場:話を戻すけど、分配金の使い道が決まっているなら「分配金受取コース」が嬉しいけど、分配金を受け取らずに将来の資産形成に振り向けるなら、「再投資コース」の方が有利なのね。

投信:そうだね。一旦現金で分配金を受け取って再投資するときには、首尾よく安く買うようにタイミングを選べるというメリットがあるけど、その分、自分で考える手間もコストもかかる。それに現金を受け取るとついつい使ってしまいたくなるしね。実はこれ、見落とせないポイントだったりする(笑)。

相場:そうね、資産形成をめざすなら再投資コースにしておいたほうが経済的に合理的ね。

投信:こう考えると分配金を払わないファンドにも意味があると思わないかい。

相場:そうね、分配金を出すと税金が発生するけど、分配金がゼロなら分配金にかかわる税金を払うことなく運用リターンを丸ごと再投資に向けられるわけね。

投信:さすが、飲み込みが早いね。分配金の多い少ないを見る前に、運用目的をきっちり決めておくことが大切だね。

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制作:NP・UX推進室

登場人物

相場晴子(アイバ・ハルコ)。国内の大手生命保険会社の本社で勤務するOL。40代後半。未婚。慶早大学・文学部卒。最近、少し貯金も貯まってきたのでオンライン証券で口座を開設して、初めて投資信託を購入。外貨建ての銀行預金を除くと初めての投資。購入したはじめての投資信託は日本株のアクティブ運用の投資信託。でも、実は自分でどういった金融商品に投資をしたかは十分に理解していない。

投信博士(トウシン・ヒロシ)。相場晴子の大学時代の同級生。慶早大学・経済学部卒。現在は、資産運用会社に勤務。大学卒業後、企業を調査する証券アナリスト、シンクタンクで出向しエコノミストとしてマクロ分析を経験した後、現在は株式のファンドマネージャー。趣味は、スマホゲームと釣り、サッカー観戦。

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LIMO編集部