投資信託にかかわる費用、つまりコストにはどのようなものがあるのでしょうか。

投資信託の初心者にとっては、ファンドを購入する時、保有している時、売却する時に、それぞれ発生するコストはなかなか理解しにくいですよね。

それは、最近ネット証券ではじめて投資信託を購入した相場晴子(アイバ・ハルコ)さんも同じです。大学の同級生で資産運用会社に勤めるファンドマネージャーの投信博士(トウシン・ヒロシ)さんに投資信託の費用構造を聞いています。聞き耳を立ててみましょう。

ノーロード・ファンドって何

相場:博士、この前、投資信託を購入したのだけど、その時に手数料を取られたわ。まぁ、当たり前なのかもしれないけど・・・。

投信:ああ、確かに、そういうファンドもあるよね。

相場:えーっ?!ということは、購入手数料がかからないファンドもあるの?!

投信:相場さん、もしかして「ノーロード・ファンド」って知らなかった?

相場:何、ノーロードって。

投信:投資信託を購入する際、投資家から見ると購入手数料がかからないファンドのことだよ。一方、投信販売会社から見ると投資信託の販売手数料を徴収しないファンドをノーロード・ファンドというんだよ。ロードというのは、”Load”という綴りで、付加料という意味。ノーロード、”No-Load”というのはそうした付加料、つまり手数料がかからないファンドということさ。

相場:えーっ、そんな大事なこと早く教えてよ。

証券会社の店頭で勧められる投資信託とは

相場:ところで、投資信託を証券会社の店頭で買うのとネット証券で買うのとでは何が違うのかしら?

投信:うーん、一言でいうと、証券会社の店頭に行くとロード・ファンドを勧められるだろうな。

相場:なぜ証券会社の店頭ではロード・ファンドを勧められることになるの?。

投信:証券会社の店頭では、販売員がお客さんに説明する時などのコスト、費用が必要となるので証券会社が販売手数料を取るという説明がされる。一方、ネット証券では、個人投資家が自分で欲しい投信を自分で調べて購入するので、証券会社の店頭とは違って人件費がかからないから販売手数料をもらわなくても良いという回答が一般的かな。

相場:一般的って、どういうことよ。別の事情があるのかしら。

投信:ロード・ファンドは、販売すれば、その手数料が販売会社に収入として入ると説明したよね。

相場:その仕組みは理解したわ。

投信:それは話が早い。個人投資家がロード・ファンドである投資信託を何度も何度も購入してくれた方が証券会社の収益には貢献するよね。

相場:あっ、そうか。販売会社は、仮に投資信託に係る販売収益を拡大しようとすれば、販売手数料の料率の高い投資信託を積極的に勧めるわよね。経営から考えれば当然よね。

投信:その事情は証券会社だけではなく、銀行も同じ。銀行の決算短信などの決算資料を見れば、「役務取引収益等」がいかに利益貢献しているかが分かる。

相場:銀行の業績に影響を与えるくらい存在感のある金融商品というわけね。

投信:まあ、そういう言い方もできるね(笑)。ただし、投資家にとって最も重要なのは、販売手数料は初めに確定するマイナスの運用リターンであるということだ。つまり、そんなものなければない方が良い。同じ投資信託でも販売会社によって販売手数料率が異なることがあるので、そこは注意して探したほうがいい。

購入手数料、信託報酬、監査報酬、売買委託手数料、信託財産留保額、これで全部

相場:投資信託は、購入時の手数料の他にどんなコストがあるのかしら?

投信:投資信託に係る費用を理解するには、投資信託と関わるシチュエーションを想定すると分かりやすい。大きく3つに分けることができる。

  • 投資信託購入時:購入手数料(販売手数料)
  • 投資信託保有時:信託報酬(運用管理費用)及び監査報酬、売買委託手数料
  • 投資信託売却時:信託財産留保額

相場:なるほどねぇ。こうして分けて考えると理解しやすいわね。

投信:投資信託購入時の話は先ほどしたので、次に投資信託を保有している時に必要となる費用を見ていこう。保有時に必要となる費用は大きく3つある。それでは信託報酬から見ていくことにしよう。

相場:これは運用会社に支払うフィーでしょ。私でもそれくらい分かるわよ。

投信:うーん、残念。その解答では正解と言えない。信託報酬の支払先としては、運用指示を出す運用会社、投資信託の資産を管理する受託銀行、投資信託の募集・販売、分配金の受渡を行ったりする販売会社の3者に支払われることになる。

相場:えー、3者にも支払うの。まあ、それぞれしている仕事が違うし、それぞれが重要な仕事だから仕方ないけど。それにしても、投資信託という仕組みは関係者がとにかく多いのね。

投信:相場さん、今、いいこと言ったね。そう、投資信託は関係者が多いんだ。その結果、それが信託報酬として支払われることになる。投資信託を購入するということは、「仕組み」を購入することと言い換えることもできる。したがって、投資信託は自分が気に入った仕組みを持つ投資信託を購入することが大事なんだ。

信託報酬の支払は毎日

相場:投資信託を購入する時の購入手数料は1回限りだったわよね。信託報酬は、年間に1回とかいう頻度なのかしら。

投信:こちらの解答も残念。正解は、毎日。

相場:えーっ、毎日?! 管理する方も大変な作業よね。

投信:そう。毎日。信託報酬は、投資信託を保有している間、信託財産から毎日チャリンチャリンと差し引かれていくんだよ。したがって、投資信託に投資をする投資家からすれば、保有している間は、信託報酬以上のパフォーマンスを定期的に上げてくれないと、資産はなかなか増えていかない。もちろん、相場全体が大きく上昇すればそれに越したことはないけど、必ずしもそうともいかないからね。

相場:信託報酬も安いことに越したことはないわね。

投信:それはそうだね。

相場:監査報酬というのは何かしら?

投信:ファンドも監査を受けることになるので、その費用だね。これは、どのファンドも必要となる項目だね。

相場:売買委託手数料というのは何かしら。

投信:投資信託で運用する株式や債券を売買する際には、証券会社に発注をすることになる。それに係る手数料のことだね。

相場:それって投資信託ごとに違うのかしら。

投信:ファンドマネージャーがどれくらい頻繁に売買をするかというのと、その運用会社が証券会社からどれくらい有利な手数料率を提示されているかで違ってくる。

相場:もしかして、何度も何度も売買する回転率の高いファンドでは、売買委託手数料が高くなるということ?

投信:まあ、そういうことだね。

相場:これはファンドマネージャーの運用スタイルが関係してくるのね。

投信:まあ、売買委託手数料も安いに越したことはないけどね。

信託財産留保額はファンド受益者への迷惑料?!

相場:博士が最後に挙げた信託財産留保額というのは何かしら?

投信:これは、投資信託の解約注文を発注した投資家に対して、解約に伴うコストを負担してもらう費用のことだよ。まあ、全ての投資信託にあるわけではないけど、設定されている投資信託もあるということ。個人的には、信託財産留保額を設定することで投資信託を売却しないインセンティブを設計したかったのだろうと思うけど、実際はそこまで機能していない気がする。

相場:投資信託に必要な費用を理解できると、投資信託ってつくづく仕組みの深い金融商品だということが分かったわ。それと、販売会社は販売した時に手数料が入るだけでなく、その後の信託報酬の一部も収益として得ることができるのね。証券会社だけではなく、銀行も一生懸命売るはずだわ。よく分かったわ。

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登場人物

相場晴子(アイバ・ハルコ)。国内の大手生命保険会社の本社で勤務するOL。40代後半。未婚。慶早大学・文学部卒。最近、少し貯金も貯まってきたのでオンライン証券で口座を開設して、初めて投資信託を購入。外貨建ての銀行預金を除くと初めての投資。購入したはじめての投資信託は日本株のアクティブ運用の投資信託。でも、実は自分でどういった金融商品に投資をしたいかは十分に理解していない。

投信博士(トウシン・ヒロシ)。相場晴子の大学時代の同級生。慶早大学・経済学部卒。現在は、資産運用会社に勤務。大学卒業後、企業を調査する証券アナリスト、シンクタンクに出向しエコノミストとしてマクロ分析を経験した後、現在は株式のファンドマネージャー。趣味は、スマホゲームと釣り、サッカー観戦。

LIMO編集部