年金は原則65歳から受給開始となっていますが、制度を活用することで60歳からの受け取りも可能です。
そのため、60歳を迎えることを一つの節目として「老後の入り口」と捉える人も少なくないでしょう。
総務省統計局の「出生年別巳年生まれの人口」によると、1965年生まれで今年還暦を迎える人は全国でおよそ174万人にのぼります。
では、この世代の人は、どのくらい貯蓄があり、これからの暮らしについてどのような考えを持っているのでしょうか。
本記事では、最新調査をもとに、シニアの経済状況や老後への準備について紹介します。
1. 約9割が「還暦後も働きたい」。理由1位は「生活費の不足」
プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社(以下、PGF生命)は、今年還暦を迎える1965年生まれの男女、「還暦人(かんれきびと)」を対象に「2025年の還暦人に関する調査」を実施しています。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする1965年生まれの男女
- 調査期間:2025年3月19日~3月21日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査地域:全国
- 有効回答数:2000サンプル ※有効回答から抽出(有効回答から性別区分が均等になるように抽出)(内訳)男性1000名、女性1000名
- 調査協力会社:ネットエイジア株式会社
PGF生命の還暦以降の就労意向に関する調査によると、約9割の還暦人が「60歳以降も働きたい」と働く意欲を示していることがわかりました。
また、59歳時点で就労している、またはしていた還暦人に対し、60歳を過ぎても働きたい理由を尋ねたところ、最も多かったのは「働かないと生活費が不足するから」で、56.6%となりました。
約5割の人が「生活のために」還暦後も就労を選択しており、物価上昇が続く中、年金や貯金だけでは生活が困難だと感じている人が多いことが明らかになっています。
なお、次に多かった理由は、「健康を維持したいから」(43.0%)、「その歳までは元気に働けると思うから」(41.3%)、「生きがい・やりがいがほしいから」(32.1%)、「人と関わりを持ちたいから」(31.4%)でした。
上記から、生活のためだけでなく、心身の健康や社会的なつながりを求める人も多いとうかがえます。