「年金だけでは生活が苦しい」など、物価高のなか、老後のお金や年金について悩みを抱える人がいる一方で、年金を40万円以上受け取っている世帯もあります。
年金制度上、受け取る年金額に差が生じるのは当たり前のことではありますが、どのような世帯が受け取っているのか、気になるところです。
そこで本記事では、年金を「46万円」受け取っている世帯はどんな世帯なのか、シニアの平均的な年金受給額とともに確認してみます。さっそくみていきましょう。
1. 年金が「46万円」受け取れるのは、どんな世帯?
46万円の年金が受け取れると聞くと、「うらやましい!」という気持ちになりますが、じつはこの「46万円」は2カ月分の年金です。年金は2カ月に一度支給され、前月と前々月分の2カ月分が支払われます。つまり1カ月分は23万円です。
「23万円でも多い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この「23万円」という金額は、標準的な夫婦世帯が受け取る年金額(1カ月分)の計算例として挙げているものです。
【令和7年度の年金例】
厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)
国民年金(老齢基礎年金):6万9308円(1人分※1)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円
上記の厚生年金の受け取り例は、以下の世帯をモデルケースとして計算されています。
夫が平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準を受給
つまり「40年間平均的な給与水準で会社勤めをした夫と専業主婦からなる世帯」が受け取る想定年金額(今年度)が23万2784円ということですから、「46万円」の年金を受け取れる世帯は、標準的な夫婦世帯と言えるでしょう。
では、現代のシニアは、いったいどのくらい年金を受けとっているのでしょうか。厚生労働省の資料をもとに、次の章で確認してみます。