3. 年金が少ないと感じたら?老後の年金を増やす方法

生命保険文化センターの調査によると、約8割の方が「老後の生活に不安感がある」と回答し、そのなかでも「公的年金だけでは不十分と感じる」と回答した方は79.4%にのぼっています。

少ない年金が老後生活の不安につながっていることが浮き彫りとなる結果ですが、老後の生活費の問題が少しでも解決すれば、老後生活への不安も解消される、あるいは軽減すると言えるかもしれません。

しかしながら、既に年金を受け取っている方が老後資産を大きく増やすには選択肢が限られます。まだ年金を受け取っていない現役世代の方は、できる範囲内で、早いうちから対策を考えて実践することをおすすめします。

具体的には下記の方法を検討してみましょう。

  • 年金の繰下げ受給
  • 年金の任意加入
  • 付加年金
  • 国民年金基金
  • iDeCoやNISA
  • 可能な限り働く など

体が健康で、体力、気力ともに十分の方は、できるだけ長く働いて収入を得ることを検討してみましょう。

70歳まで厚生年金に加入できるだけでなく、仕事をしている間は収入が得られます。貯蓄を大きく減らすことなくリタイアでき、年金の繰り下げ受給も選択肢として検討することができます。

一方、国民年金の被保険者の方は国民年金基金や付加年金への加入を検討してみましょう。とくに付加年金は国民年金の被保険者が利用できるお得な制度で、月々400円の負担で「200円×付加保険料納付月数」が年金に上乗せされます。上乗せは一生涯続きます。

私的年金制度のiDeCo、非課税制度のNISAは、いずれも将来の資産形成を目的とした制度です。

とくにiDeCoは税制面で優遇されており、掛金が全額所得控除、さらに受取時には退職所得控除、公的年金等控除の対象になります。NISAと同様に、運用益が非課税になるので、本来税金で支払うお金も運用に回すことができ、効率的に運用できます。

ただし、投資にはリスクが伴います。老後生活が間近になって初めて投資を始める方、また年金生活中の方が初めて投資を始める場合は、とくに慎重に投資先を選び、想定されるリスクについて勉強する必要もあるでしょう。

資産運用に詳しく、信頼できるFPやIFAに相談するのもひとつの方法です。

4. 自営業の方やシングルの方は「老後のお金対策」をお早めに

今回は、シニアが受け取る年金の平均受給額、老後資産を増やす方法などについてお伝えしました。

夫婦世帯の場合、夫婦のどちらかが会社員や公務員であれば、現時点では「46万円」の年金を受け取れる可能性が高いでしょう。

一方、自営業者の夫婦は国民年金のみなので、夫婦あわせて受け取れるのは、満額でも14万円弱(※今年度)です。未納や保険料の免除があれば、年金額はさらに少なくなる可能性があります。

また、シングル世帯は世帯の構成員が1人なので、受け取れる年金も1人分です。したがって、受け取る年金額と現役時代の給料の差にギャップを感じるかもしれません。

将来受け取れる年金額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で調べるのがいちばんです。早めに調べておき、老後のお金対策を早めに進めることをおすすめします。

参考資料