公的年金は、老後の生活を支える大切な制度ですが、通常の年金給付以外にも知っておきたい補完的な制度があります。その一つが「年金生活者支援給付金」です。
この給付金は、年金受給中の人が一定の所得要件を満たす場合、年金に上乗せして支給されるものです。ただし、支給対象となった場合でも、自動的に受け取れるわけではなく、ご自身で手続きをおこなう必要があります。
この記事では、年金生活者支援給付金の支給要件、支給金額、手続き方法などをひとつひとつご紹介していきます。
また記事後半では「いまのシニア世代の年金受給額データ」や、65歳になる前に年金を受け取る「繰上げ受給」のしくみについても触れていきます。
1. 《年金に上乗せ》年金生活者支援給付金という制度を知っていますか?
「年金生活者支援給付金」は公的年金を含めても所得が一定基準額以下となる人を対象とする給付金です。
2019年10月1日に導入された比較的新しい制度なので、「初めて聞いた」という人もいるかもしれませんね。
年金生活者支援給付金は受け取る年金の種類に応じて、次の3つに分かれています。
1.1 年金生活者支援給付金は3種類
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
2カ月に一度の年金支給日に、公的年金へ上乗せして受け取ることができます。
それぞれの年金生活者支援給付金の支給要件などを確認してみましょう。