今日6月13日支給分から、厚生年金と国民年金は2025年度の年金額となります。
昨今の物価高の中、公的年金は前年度比で1.9%増額へ。ただし、マクロ経済スライドによる調整が入り、実質的には目減りです。
人生100年時代といわれる現代において、たとえば65歳でリタイアするとしても、老後は35年間。
その間「いつ物価が上昇するか」は誰にもわからず、年金生活となれば年金のみでの対応は難しいと考えられるため、自身で対応する必要があります。
現代はおひとりさまも増えており、自身で老後資金まで対応することになりますが、老後の収入の柱となる公的年金は現役時代の働き方により大きな個人差があります。
年金支給日の今日、働き方別に平均的な年金月額をみながら、ひとりの老後の備えを考えましょう。
1. 【2025年度は年金1.9%増額】厚生年金「働き方別」に男女別で平均月額はいくらか
厚生労働省によると、2025年度の年金額例は以下の通りでした。
1.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
1階部分の国民年金、2階部分の厚生年金ともに増額となっています。
厚生労働省の資料では働き方別の年金額例も紹介されています。
特に2階部分の厚生年金は加入期間だけでなく、収入に応じて納めた保険料により個人差が大きくなっています。
厚生労働省の公表をもとに、厚生年金中心で働いた人の、男女別のひとり分の2025年度の年金額例をみてみましょう。
1.2 厚生年金期間中心の男性:年3万8808円増額
年金月額:17万3457円(+3234円)
- 平均厚生年金期間:39.8年
- 平均収入:50万9000円
- 基礎年金:6万8671円
- 厚生年金:10万4786円
※平均年収は賞与含む月額換算。
1.3 厚生年金期間中心の女性:年2万9556円増額
年金月額:13万2117円(+2463円)
- 平均厚生年金期間:33.4年
- 平均収入:35万6000円
- 基礎年金:7万566円
- 厚生年金:6万1551円
※平均年収は賞与含む月額換算。
男性の平均は月額17万円台、女性は13万円台と約4万円の差があります。
詳細をみると平均収入が男女で約15万円異なります。また、加入期間も約6年異なります。
実際には個人の加入期間や収入に応じますが、傾向としては女性の方が年金月額が少なくなっています。
また、おひとりさまの中には国民年金(第3号被保険者)期間が長かったという人もいるでしょう。
その場合の平均額は以下の通り。
1.4 国民年金(第3号被保険者)期間中心の女性:年1万7172円増額
年金月額:7万6810円(+1431円)
- 平均厚生年金期間:6.7年
- 平均収入:26万3000円
- 基礎年金:6万7754円
- 厚生年金:9056円
※平均年収は賞与含む月額換算。
月7万円台となり、年金のみでの生活は厳しい状況です。
現代はパートでも要件を満たせば厚生年金の加入が可能です。
老後に向けて、厚生年金に加入する働き方を考えるのは一つの老後対策でしょう。
2. 【ひとりの老後】リタイア後のおひとりさま「月の生活費」とは?
では、ひとりの生活費は平均でいくらなのか、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」より、65歳以上で単身無職世帯の平均的な月の収支をみていきましょう。
月の支出
- 消費支出:14万5430円
- うち食料:4万103円
- うち住居:1万2564円
- うち光熱・水道:1万4436円
- うち家具・家具用品:5923円
- うち被服及び履物:3241円
- うち保健医療:7981円
- うち交通・通信:1万5086円
- うちその他:3万821円
- 非消費支出:1万2243円
支出合計15万7673円
月の支出は平均で15万円台です。
先ほどと比べると、厚生年金の男性の平均であれば生活費は黒字ですが、女性は赤字となります。
また、国民年金のみでも赤字となるでしょう。
ちなみに上記の月の収入の年金部分の平均は11万8230円。
おひとりさまシニアの月の収支は約3万円赤字であり、この部分を貯蓄などで補う必要があります。
3. 【おひとりさまの貯蓄額】平均貯蓄額「年代別の一覧表」でみる
最後にJ-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」より、年代別の単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)を確認しましょう。※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
3.1 【おひとりさま】貯蓄額「年代別の一覧表」平均・中央値
- 20歳代:161万円・15万円
- 30歳代:459万円・90万円
- 40歳代:883万円・85万円
- 50歳代:1087万円・30万円
- 60歳代:1679万円・350万円
- 70歳代:1634万円・475万円
平均をみるとまとまった貯蓄があるようにみえますね。
一方の中央値は水準が低くなっており、50歳未満は100万円以下、60歳以上でも500万円には達しません。
貯蓄意識をもち、習慣的に早くからコツコツと備えていくことが大切でしょう。
4. 増える働くシニア。老後の計画を
今回みてきたように、働き方で年金額は変わります。
現役時代から自身の年金見込み額を把握して、公的年金を増やす働き方を検討するのも一つでしょう。
また、厚生労働省「令和7年版 高齢社会白書」によれば、2024年の65歳以上の就業率は以下の通り。
4.1 最新の就業率
- 65~69歳:54.9%
- 70~74歳:35.6%
- 75歳以上:12.2%
働き続ける人も増えており、できるだけ長く働き続けて老後のスタートを遅くするのも一つの選択肢です。
ただ、おひとりさまの場合、自分で働くだけの選択肢だと心もとないところもあります。
預貯金のほかに資産運用をとりいれることで、リスクはありますが「お金に働いてもらう」という選択肢は増えます。
老後資金の選択肢が増えるのは一つのメリットですから、まずは情報収集をしてみてはいかがでしょうか。



