3. 国民の負担が増加している背景

国民負担率が増加している大きな要因として、少子高齢化の進行が挙げられます。

すでに人口が減少局面に入っている日本では、2070年には総人口が9000万人を割り込む見込みです。

高齢化の推移と将来推計

高齢化の推移と将来推計

出所:内閣府「令和7年版 高齢社会白書」

その一方で人口に占める高齢者の割合は年々増加しており、2024年12月1日現在では65歳以上の人口が全体の約3割に達する状況となっています。

ここで、少子高齢化が私たちの生活に与える影響を「社会保障費の増加」と「現役世代の減少」の2つの視点に分けて見ていきましょう。

3.1 社会保障費の増加

人口に占める高齢者の割合が増加すると、その分必要となる社会保障費も増加します。

社会保障費とは、年金や医療、介護といった社会保障制度の運営にかかる費用です。

たとえば、高齢者が多くなると病気にかかるリスクも高まることから、病院を受診したり、入院したりする人が増加することが想定されます。

それによって医療費が膨らみ、健康保険制度を支える財源が圧迫される要因となるのです。

年金や介護でも同様に制度を運営するための費用が増加することから、結果的に国民の負担増加へとつながっているといえます。