総務省が公表した最新の消費者物価指数(総合指数、5月分は、前年同月比で3.5%の上昇となりました。
食料品や電気代、ガソリン代など生活必需品の値上がりが家計を直撃しています。
こうした中、政府は住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円の給付金を支給する対策を実施しています。
ただし、この給付金は申請が必要なケースもあり、期限を過ぎると受け取れなくなるため注意が必要です。
本記事では、給付の対象となる「住民税非課税世帯」の定義や年収の目安、年代別の非課税割合について詳しく解説します。
1. 物価高の今、暮らしが苦しいと感じている人は約9割
SOMPOダイレクト損害保険株式会社「【第2弾】物価高による家計への影響を調査」によると、回答者の約9割が物価高の影響を受けていると答えました。
「実際のところ、物価高により生活はどれぐらい厳しくなっていると実感していますか。」(単一回答:n=904)1/4
- 本当に厳しい。明日の食べ物にも困るレベル:6.4%
- かなり厳しい。貯金を切り崩すレベル:は30.4%
- やや厳しいが、出費を抑えることでやりくりできている:52.0%
- 実際のところまったく困っていない、これまでと変わらない:6.7%
- 答えたくない:4.4%
回答者の中には「明日の食べ物にも困るレベル」と答えた人もおり、物価高が家計に与える影響は深刻さを増しています。
1.1 【データで見る】消費者物価指数は5年で1割以上上昇、食料は2割超えも
2025年6月20日に総務省が公表した「消費者物価指数(2025年5月分、総合指数)」によると、指数は2020年を100として111.8まで上昇しました。
中でも「食料」の上昇が際立っており、同じく2020年比で124.4に達しています。
特に生活必需品の値上がりが、家計を直撃していることがうかがえます。
2. 住民税非課税世帯向け「3万円給付金」が実施中
物価上昇による家計負担の増加を考慮し、低所得者世帯への「3万円給付」および「子ども1人あたり2万円」の支給が行われています。
本給付金の支給対象となるのは「住民税非課税世帯」であり、一世帯あたり3万円を目安に支給されています。
給付スケジュールは自治体によって異なりますが、すでに給付金を受け取っている方も少なくありません。
ただし、給付を受け取るには申請が必要な場合もあり、その際は申請期限が設けられています。
まだ受け取っていない方は、お住まいの自治体が公表している情報を確認し、早めに申請手続きを行いましょう。
では、そもそも「住民税非課税世帯」とはどのような世帯を指すのでしょうか。
3. 「住民税非課税世帯」ってどういう世帯?
住民税には、所得に応じて負担額が決まる「所得割」と、一定の金額を全員が均等に負担する「均等割」の2種類があります。
住民税非課税世帯とは、世帯全員が「所得割・均等割の両方が非課税」もしくは「所得割のみが非課税」である場合です。
3.1 所得割・均等割の両方が非課税
所得割・均等割の両方が非課税となるのは、以下のような方です。
- 生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
- 前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方
〈東京23区内の場合〉
同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合
45万円以下
※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。
※23区外にお住まいの方は、均等割額が非課税となる合計所得金額が異なる場合がありますので、お住まいの市町村にお問合せください。
3.2 所得割のみが非課税の世帯
所得割のみが非課税となるのは、前年中の総所得金額等が下記の金額以下の方です。
同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下
同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合
45万円以下
※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。
4. 年収いくらまでが非課税?【東京都港区の例で見る目安】
住民税非課税世帯になる年収の目安は自治体によって異なりますが、東京都港区を例に挙げると以下のようになります。
- アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
- 不動産収入等所得がある人は、収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)
特に、65歳以上の方は非課税となる年収の上限が155万円に引き上げられているため、比較的多くの高齢者が非課税世帯に該当します。
5. 【年代別で比較】住民税非課税世帯の割合はどのくらい?
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、各年代の住民税非課税世帯の割合は以下のとおりです。
世帯主の年齢階級別でみた住民税非課税の世帯割合4/4
出所:厚生労働省「2023(令和5)年|国民生活基礎調査|2所得票 第129表 世帯数,課税の状況・世帯主の年齢(5歳階級)別」をもとにLIMO編集部作成
65歳以上になると、非課税となる年収の上限が155万円に引き上げられるため、非課税世帯の割合は高くなる傾向があります。
特に、引退後に年金が主な収入源となる人が多い70歳代前半~80歳代にかけて、非課税世帯の割合が増加しています。
6. まとめにかえて
物価上昇が続く中、住民税非課税世帯を支援する3万円の給付金は、生活を下支えする貴重なお金です。
ただし、給付対象となる世帯の多くが「高齢者世帯」であることから、申請を忘れているケースがあるかもしれません。
申請期限が間近に迫っている自治体もあるため、まだ受け取っていない方は早めに確認しましょう。
参考資料
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)5月分」
- 内閣府「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
加藤 聖人