3. 「平均年金受給額」は男女間で差がある
前章では、60歳代・70歳代・80歳代のそれぞれの年代別の平均受給額(月額)をご紹介しましたが、男性か女性かによっても受給額が異なります。
同じく厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で確認していきましょう。
厚生年金の受給者全体の平均額は14万6429円ですが、男性の平均は16万6606円、女性は10万7200円と、男性の方が約6万円高くなっています。
厚生年金は、現役時代の収入や厚生年金加入期間などにより受給額が決まり、収入が高いほど、また、加入期間が長いほど高額になるのが一般的です。
男性の方が年収が高く加入期間が長い傾向にあることが、受給額の多さにつながっていると考えられます。
一方、国民年金では男女間に大きな差はみられません。
国民年金受給額は、保険料納付月数によって決まるため、現役時代の年収などの影響を受けないためと考えられます。
4. 年金額をもとに、老後資金の準備を検討しましょう
令和7年度の年金支給額は昨年度より1.9%引き上げられ、年金額例として、国民年金は1308円の増加で6万9308円に、厚生年金は4412円の増加で23万2784円になります。
60歳代・70歳代・80歳代の年代ごとに平均受給額は若干異なり、特に厚生年金は男女間の差が大きくなる傾向があります。
これから老後資金の準備を始める方は、各年代の平均受給額を確認し、どのくらいの貯蓄をすれば良いのかを検討する際の材料の一つとしてください。
参考資料
木内 菜穂子
執筆者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会認定AFP、一種外務員資格(証券外務員一種)、日本商工会議所簿記検定試験2級、年金アドバイザー3級。JAバンク(金融窓口業務)や税理士事務所、また医療系公益財団法人で社会保険関係・給与計算関係・雇用保険関係・福利厚生関係などを行う。結婚を機に退職し、現在は自分らしい働き方を探し金融系・保険関係ライターとして執筆活動中。お金に関する知識を詳しくわかりやすく伝えることをモットーとする。
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)